管理栄養士のローカーボ・キッチン

抗酸化と腸内環境

糖質制限理論を知り、実践し、10年が経ちました。
この広がりとともに、
今、少しずつ見えてきたことがあります。
それは、
健康を栄養で管理するためには、
糖質(何か)を制限することだけが目的ではなく、
もうひとつの視点が欠かせないということです。


わたしたちの日常には、
糖質摂取=食後高血糖だけでなく、
食品添加物、排気ガス、薬剤など、
さまざまな物理的ストレスがあり、
これらは、
現代社会を生きて行くうえでは
避けがたい生体異物とも言えます。

食品添加物や環境化学物質、
薬剤などは外因性の生体異物と言えます。
一方、
毎食、食後高血糖を引き起こすほどの精製された糖質摂取が、
人体にとってあきらかに不自然であることは、
人類の進化のメカニズムからみても、生理学の単なる事実であるならば、
糖質摂取による食後高血糖と
それによるインスリン分泌、糖化(代謝産物)は、
内因性の生体異物と言えるのではないでしょうか。

糖質摂取による、
血糖上昇、インスリン分泌など代謝による代謝産物を
生体異物と認識するかどうかは別として、
食品添加物や環境化学物質などの
生体異物を体に入れたくない!という意識は、
比較的、多くの方が持たれているのではないかと考えます。

糖質制限食を自ら実践されている方は、
糖質摂取による、
血糖上昇、インスリン分泌など代謝による代謝産物を
生体異物と認識し、
その上で実践したいと自ら考えた方なのかもしれません。


このような生体異物を認識し、
できるだけそれを避けたいと考え、実践するタイプの方は、
外因性の生体異物に関しては、
例えば、
できるだけ食品添加物がない食材を選んだり、
投薬に頼りすぎない治療法を選んだり、
排気ガスのできるだけない環境へと引っ越しする方もいるかもしれません。

しかし、
現代社会を生きて行く上で、
糖質摂取も含め、
生体異物を限りなくゼロに近づける生活ができる方は、
稀ではないかと考えます。

ならば、
良くないものを体に入れない!
という考え方に加え、
良くないものは体から出そう!
という考え方もあると、
100年足らずの人生、
(糖質制限が必要になる年頃からだと50年足らず?の人生)
もう少し楽に、文化的に、
人生を健康的に楽しめるんじゃないかと、
最近、考えています。

長寿村と言われる地域の方々の食事は、
食べているものがいいのか。
食べていないものがよかったのか。

主食を毎食摂っている糖尿病の方でも、
合併症もなく、
80歳を過ぎても比較的、元気に暮らしておられる方と
そうでない方は何が違うのか。

化学物質のかたまりのようなタバコも、
長い期間、吸っていても、
やはり、
80歳を過ぎても比較的、
元気に暮らしておられる方は何が違うのか。

単純な何かひとつの要因だけでそのような結果になっているのではなく、
個々人の遺伝子をふくめ、
いろんな要因が複雑にからんでいる結果であるとは思いますが、
実は、
我が家の糖尿人の家族も、
やはり、糖尿病でしたが、
糖質制限などするはずもなく、
主食も甘いものも日常茶飯事、
投薬を続け、
タバコが好きで若い頃から毎日、吸い続け、
家族麻雀では頭脳明晰ぶりを発揮し、
たまたま起こった事故でなくなるまでの
90歳まで、元気に過ごしていました。


良くないものをからだに入れない!
に加え、
良くないものをからだからなくせる!
このパワーが、実は大切なのではないかと考えています。

良くないものをからだに入れないためには、
腸内粘膜と腸内細菌叢が大事です。
そして
良くないものをからだからなくせるためには、
抗酸化力が大事です。

次回、このはなしをまとめます。

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災害時の栄養管理


熊本地震から1週間、
飛行機、電車などの交通機関への影響が解消されつつあるようです。
民間の宅急便を利用すると、
避難所に避難する方へ直接、
荷物を届けていただけるそうです。

避難所での食事は、
どうしても手軽にカロリーが確保できる
おにぎり、菓子パン、乾パン、カップ麺など、
血糖を上げる食事、
つまり、糖質に偏ったものになりがちです。

そろそろ食料の確保ができるようになるならば、
日持ちし、
腐敗の心配も少ない
魚の缶詰から、
たんぱく質、ビタミン、ミネラル、オメガ3など
必須アミノ酸と必須脂肪酸など必須栄養素を確保できたら理想です。

缶詰は骨ごと食べられるため、
肉と違って、カルシウムやマグネシウムなど
ミネラル確保がしやすいのも特徴です。
カルシウムは精神のいらだちを抑え、精神安定にもはたらきます。

また、
ストレスの多いときや、
狭い場所で過ごすことでできやすい
血栓対策にも、
肉ではなく魚の脂肪酸=オメガ3(EPA)は効果を発揮します。
EPAは、血液をサラサラにして動脈硬化や心筋梗塞を防ぎます。

EPAはを液体の油から摂取するには、
「アマニ油」も手軽です。
水と一緒に飲んでおくこともできます。


そして食物繊維も大事です。
腸内環境を良くしておくことは、
慢性ストレスと疲労の連鎖を予防、解消するために重要です。

たとえば、
災害によるストレスは、
胃腸機能を低下させ、
腸内細菌叢の乱れを引き起こしやすくなります。
すると、
食品添加物や環境化学物質、微生物、薬物など
現代社会をとりまく、さまざまな生体異物を、
排泄しづらく、
吸収しやすくなり、
その結果、肝臓に負担がかかり、
解毒機能が落ち、
疲労という流れにも繋がります。

食物繊維は腸内細菌の餌となり、
腸内細菌叢を整えるために役立つだけでなく、
大腸で短鎖脂肪酸を生成し、
エネルギー源となるほか、
短鎖脂肪酸自体に、
肝臓の解毒能力を上げてくれるはたらきがあります。

食物繊維の豊富な食品の中で、
生鮮食品である野菜が手に入りにくいときには、
海藻がおすすめです。
海藻は乾物で手に入ります。
焼き海苔は、そのまま食べることができます。
カットわかめやとろろこんぶは、
お湯やお汁が使える環境であれば、具として入れることができます。
水が使えるようになったら「がごめ昆布」もおすすめです。
比較的少量の水でめかぶ昆布のように戻すことができます。
そして食物繊維の中でも、
海藻に豊富な不溶性食物繊維が、
短鎖脂肪酸を生成しやすく、
また、
おにぎりやパンなど糖質の多い食事の旅に上がる
血糖の上昇をゆるやかにしてくれるはたらきもあります。

ストレスや疲労で需要が亢進する栄養素は、
1)タンパク質、
2)ビタミンB群、
3)マグネシウム、亜鉛などのミネラル、
ビタミンCです。

1)2)3)は魚の缶詰と海藻の乾物から確保し、
ビタミンCはサプリメントを有効活用できたら理想です。

そのような支援が行えるよう、
災害時の栄養も、
量から質へそろそろシフトも考え、
今、できることから尽力できたらと思っております。

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お見舞い申し上げます

熊本県を震源とする地震により
大きな被害が発生しています。

被災された方々にまずは心よりお見舞い申し上げます。

私は熊本県阿蘇で生まれ、
思春期まで阿蘇で過ごしました。

親族の無事は確認できましたが
阿蘇神社の楼門の倒壊など、
言葉になりません、、。

これ以上、被害が広がらないように、
一刻も早い復興を祈るばかりです。

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ビタミンK2

9日(土)
クリニック(五反田)での勤務の後、
品川〜羽田〜福岡へ。
10日(日)
福岡で開催されました
医師、歯科医師、コメディカル対象の
栄養療法実践&活用セミナーに出席し、
「糖質制限食の指導方法」をお話しさせていただきました。

「未来の医者は薬を使わず、食事を重視し、
病気の本来の原因を探し、予防するという、
人間の基本を大切にして治療をするであろう。」
トーマス・エンジンの有名な言葉です。

投薬だけでなく、
症状の根本原因を探り、
血液検査で栄養素の過不足を知り、
食事を重視し、
さらに、
適切な栄養の補給を行うことで根本治療をめざす、
栄養療法を治療に導入されておられる
医師の症例発表は大変、勉強になるものばかりでした。

頭巾をかぶってクリニックの裏から出入りしていた、
重症のアトピー性皮膚炎の患者さんの症例は、
腸内環境を整えることを重視したもので、
4ヶ月後の
その劇的な改善を目の当たりにして、
栄養の大切さを改めて認識できました。

今回は、
そのセミナーの中で興味深かった、
カルシウムパラドックスと
ビタミンB2のお話しを紹介します。


カルシウムパラドックスとは
カルシウムの摂りすぎではなく、
カルシウムが不足する結果、
骨などに蓄えられていたカルシウムが血中に溶け出し、
そのカルシウムによって、
尿管結石、
血管壁にカルシウムが沈着=動脈硬化、
カルシム沈着性の腱鞘炎など、
血管や人体の各所にカルシムが沈着をしてしまう現象です。


血糖が高い状態が続いている糖尿病の患者さんは、
カルシム(マグネシウムかカリウムなどミネラル全般)が
尿と一緒に出てしまうので注意が必要です。

やはり、
血糖を上げない=ミネラルを無駄遣いしない
糖質制限食は、
糖尿病の方には必須の食事療法であると考えます。
加えて、
糖質制限をはじめても、
これまでの高血糖による体内の酸化(糖化)のリスクを減らすために、
抗酸化栄養のアプローチが欠かせません。

抗酸化栄養はビタミンACE(エース)。
なかでもビタミンCは、毎食、コンスタントに、
意識して、新鮮な野菜を摂ることも大事ですが、
糖化が長く続いていたような方であれば、
食事だけでなくサプリメントがあると手っ取り早く心遣いと考えます。


ビタミンK2にはなしを戻しますが、
なぜ、
骨など組織から血中に流出したカルシウムや、
摂取したカルシウムだって、
骨ではなく、
組織へと沈着してしまうのでしょう。

日本のアマゾンでも購入できるこちら
Vitamin K2 and the Calcium Paradox: How a Little-Known Vitamin Could Save Your Life (英語) ペーパーバック use pre formatted date that complies with legal requirement from media matrix – 2013/8/27

そのなかの挿絵がわかりやすいのですが、

暗闇の血管内をすすむ後ろ姿の2人の人間。
ARTERIES(動脈)

BONES(骨)
の標識がある二股の前で、
CALCIUMと背中に書かれたTシャツを着た人間に寄り添って、
BONESに続く道へと導こうとしているのが
VITAMIN K2と背中に書かれたTシャツを着た人間。

つまり、
ビタミンK2があると、
カルシウムは骨形成へと向かい、
動脈のカルシウム沈着に向かわない
というメカニズムです。

ビタミンK2は、血管と心臓に影響することは
こちらにも書かれています。
Vitamin K2: The Missing Nutrient for Heart and Bone Health (英語) ペーパーバック use pre formatted date that complies with legal requirement from media matrix – 2015/3/18


このお話しをご教授くださったのは、
木村専太郎クリニックの院長
木村専太郎先生です。
http://www.kimurasentaro.com/clinic/guide.html


ビタミンK2は豊富な食べ物は、
納豆です!
納豆キナーゼ、食物繊維、発酵食品、たんぱく質と、
納豆、いいことづくめですね。

そのほか、
乾燥わかめ、海苔、卵もに納豆ほどではありませんが、
含まれます。

ビタミンKは野菜に含まれますが、
K2ではないと骨の健康にははたらきません。

納豆を食べない人はどうしているんだろうと
調べてみたら、
ビタミンK2は、腸内環境でも作られます。
やはり、腸内環境を整えておくことは健康の基礎とも言えます。

糖質オフだけに意識をとられるのではなく、
加工品(食品添加物、酸化油脂、防腐剤(ソルビン酸))を控え、
粘膜をつくるビタミンAや亜鉛の豊富な
肉や魚介を、
ただ、ゆでるだけ、焼くだけなどシンプルに、
そこに、
葉物野菜、淡色野菜に加え、
海藻類、きのこ、こんにゃく、おからなど
食物繊維を毎食、たっぷり、
こちらも生、ゆでる、汁の具にするなどシンプルに。
そこに、
みそ、しょうゆ、酢、本みりん、麹、つけものなど
発酵食品を味付けに使いながら、
おかずをシンプルに揃えることが大事です。

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食物繊維 再考

東京では桜の花びらが舞っています。

今週末は、
福岡で、
医療関係者を対象に、
糖質制限食の栄養指導の進め方と題して、
セミナーにでかけます。

その中でもお話ししますが、
糖質制限食の実践においても、
食物繊維は大事です。

かつて長寿村として知られた
山梨県上野村棡原は、
主食は雑穀、
山菜、野菜、豆、みそ、こんにゃくなど自給し、
食物繊維の摂取量は1日70g近くで、
タンパク質も豊富に摂取できていたことが話題になりました。
ところが、
昭和30年以降、
交通の便が良くなると、
食材をシンプルにいただく、
から、
購入食中心の食事に代わり、
購入食中心だった世代の短命化による
「逆さ仏」現象が起こりました。

高繊維食とあわせ、
購入食を控えることも大事ですね。

今日は、食物繊維の話にしぼりますが、
食物繊維の豊富な食材は、
カロリーが低いもの、
咀嚼回数が増えるものが多いのが特徴です。
野菜、海藻、きのこ、こんにゃく、おからなど。

そのため、
大食漢で、主食のかわりに、
肉や乳製品ばかり増えてしまいがちな方には、
食物繊維を増やすことで、
咀嚼によって早食い、大食いを防ぎ、
満足感、満腹感を高め、
主食を抜いておかずたっぷり食による結果的な
食べ過ぎ=カロリー過多の調整に役立ちます。

また、食物繊維の中でも
海藻やきのこに豊富な
ヌルヌルとした水溶性食物繊維は、
腸内細菌によって発酵され、短鎖脂肪酸が生成されます。
そしてこの短鎖脂肪酸は
エネルギー源となることがわかっています。

草食動物のゴリラが、
果物がない高地の森林でも
葉っぱだけで生きていけるのは、
食物繊維を大腸で発酵させエネルギーを得ているとも考えられています。

ベジタリアンの方も、
食物繊維からエネルギーを得て生命維持できているのかもしれません。

糖質は、
血糖を上げるというプロセスで手取り早いエネルギー源になりますが、
血糖を上げないで、
つまり、
糖質を制限してエネルギーを得る方法として、
脂質の摂取のほか、
食物繊維をたっぷり摂取するという方法も選べます。

短鎖脂肪酸というエネルギーになる
水溶性食物繊維が豊富な海藻は、
糖質制限食が必要になるほど、
長い間、高血糖が続いていた方に不足しがちな
カリウム、マグネシウムなどミネラルも豊富です。

海藻の色素成分フコキサンチンは、
カロテノイドの一種で、
抗酸化、抗糖化にはたらきます。

また海藻のぬめり成分フコイダンは、
抗がん作用、抗ウイルス作用などの生理機能も解明されています。

野菜、海藻、きのこ、こんにゃくなど
食物繊維を毎食、主食代わりに、毎食、たっぷり摂っていくのが、
糖質をいかに低く抑えるかが目的にならない、
血糖コントロール、
アンチエイジングなど
健康を維持するための手段としての
安心、安全な糖質制限食の実践であると考えます。

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