管理栄養士のローカーボ・キッチン

怖くない糖質制限の実践方法を今こそ

糖質制限食の是非について、
糖質制限は怖いんだというようなタイトルの本もでて、
どうしたらいいのと、
不安に思われる方も多いと思います。

その本を、実はわたくしは、
読んでいませんが、
読んでみたいと思います。

きょうは、
これまで、
その本の内容をメールで頂いたり、
書評などで知りうる限り、
わたくしが感じ、考えた想いを
まとめたいと思います。


結論は、

糖質制限は、
理論だけではなく、
実践について、
具体的な食事(食材)のレベルに落とし込んだ
食べ方の整理と提案が必要な時期だということです。

糖尿病なのか否か、
肥満があるか否か、
他の血液検査データなども照らし合わせた、
整理と、
それぞれに応じた
具体的な食事(食材)のレベルに落とし込んだ
食べ方の整理と提案も必要です。

このようなことが行われない理由のひとつに、
また、
糖質制限が、肉OK、お酒飲み放題、みたいな、
センセーショナルに取り扱われがちな理由のひとつに、
「マスコミの体質」も関係していると思います。

わたくしは、これまで、多くの
糖質制限本を上梓し、監修させて頂きましたが、
わたくしが考え、
編集者に伝える、
糖質制限食から見た栄養学的な内容や実践方法が、
すべて反映されるわけではありません。

もっと油をたっぷり使って下さい。
もっとチーズもたっぷり。
お肉のメニューを増やして欲しい。
高カロリーにして欲しい。
面倒なことは読者は嫌がるから避けて欲しい。
など。
センセーショナルな見栄えにしたいというのが
マスコミの意図する大きなポイントのひとつです。

糖質制限を実践されている方の話を、
クリニックで、
毎月、50名ほどお聞きしていますが、
どうも、
マスコミの「売れる」意識と、
実践者の「求める」内容に、
乖離があるように感じています。
とくに、
糖質制限に関しては。

そして、
とくに、ここ数年、
その乖離は大きくなっていると感じています。

2006年から私は糖質制限を実践し、
ときには挫折し、
酒量が増えて困ったり、
いろんな体験をしながら、
今、
カロリーも意識したメニューにしませんか?
食物繊維もたっぷりしたいです。
腸内環境のことも伝えたいです。
油脂の摂り方は重要なので、そこを具体的に見せたいです。
肉もいいけど、魚の摂り方は大きく見せたいです。
そして、
加工品の摂り過ぎはよくないです。
と、
今も、いくつか企画を出していますが、
マスコミのお返事は、いつも、
糖質制限に、
そういう細かいフィルターが重なると、
インパクトが弱くなる=売れません、と、
このようなお返事を頂きます。

正しい内容を正しく言うと、
どうも、地味になるようです。
ですが、今こそ、その地味さが必要なのかと思うのですが、
マスコミの、
プロの方の目は、
そうではないので、仕方ありません。

理論は理論として検討を続けながらも、
理論が間違った方向にいかないためにも、
実践方法の栄養学的アプローチ、
つまり、
食材や調理方法に落とし込み、
糖質だけでなく、
栄養全体で考えながらの実践方法を
整理して伝えることは非常に重要です。
そして本来、それは、
管理栄養士の得意とするところです。

しかし、
ここにもマスコミの壁があり、
管理栄養士より、
医師の肩書きを求める傾向が多々、あります。

正しい情報内容(目的)より、
見栄え(手段)が、
マスコミには大事なことも多々ある事を痛感してきました。

さて、
糖質制限が怖いよ、という本の内容を
ここで、すべて論じることはできませんが、
まず、
○糖質を控えることは、確かに血糖値は下がり、体重は減る。
と認めています。
なぜなら、
これは生理学的事実なので、否定しようがありません。
だからこそ、
血糖調整システムが破綻している
糖尿病の患者さんの場合は、
どんなにエネルギーを制限しようと、
摂った糖質の量に比例して血糖値が上がり、
投薬もインスリンからも離脱できないどころか、
年間16000人の人工透析、
3000人の失明、
3000人の足切断に至るという合併症から免れることはできません。

しかし、
○極端に走れば栄養失調になり、
カロリー不足を補うため脂肪、たんぱく質まで燃やしてしまう。
筋肉まで減っていく。
元気がなくなり、命に関わる問題になりかねない」
とありますが、

これは事実ではありません。
これは解釈です。

カロリー不足にならない糖質制限の実践方法は、
糖質制限食を専門に栄養指導をしている、
あるいは体験している管理栄養士なら、
知っています。

本来、医療の現場では、
医師の指揮官のもと、
看護師、管理栄養士、臨床検査技師、薬剤師など、
それぞれの専門家が、
それぞれの専門分野について、
基本的には、
その専門的な内容の口出しはありません。
専門外からみての建設的な意見は当然、
かわし合いますが、
たとえば、
管理栄養士が薬剤師の仕事はしません。

患者さんを治す、
という、
ただひとつの目標に向って、
医師の指揮官のもと、
それぞれの専門家が
自分の専門知識を駆使して、
オーケストラのように
患者さんを治すために仕事をしていきます。

糖質制限を語るときにも、
そのような体制が必要かもしれません。

いつまでもたっても、
糖質制限の理論は認めても、
糖質制限を否定する材料として、
脂質の摂り過ぎが問題だ、
肉の摂り過ぎが問題だ、
野菜不足が問題だ、
と、
実践レベルでの問題づくりに終止し、
問題解決の機会を阻みます。

糖質制限は、
本当は怖いんだという本で取り上げられている論文は、
江部康二先生の、
「糖質制限食パーフェクトガイド」で
論破されるものがほとんどかと思います。

有名な論文であっても、
ねつ造まがいの「解釈」が入るものも、
ある、
ということです。

事実と解釈。
ここをきちんとわけて考えることを、
わたくしは最近、とくに意識するようになりました。

科学的な論文を読むときだけでなく、
対人関係でも、
例えば、

娘はなんど言っても部屋を片付けず、勉強もせず、
だらしない。

ここでの事実は、
娘は部屋を片付けない。勉強をしない。
であって、
だらしないことは、
娘の事実ではありません。
わたしの解釈です。

というようにすると、
喧嘩がへりますよ(笑)

それはともかく、
繰り返しますが、
糖質制限を否定する本や新聞記事を目にするたびに、
共通しているのは、
否定派も、
理論はある一定、認めています。
問題は、
実践方法について、問題視しているという点です。

糖質制限食では、
肉はOK。アルコールもOK。
とは言ってますが、
魚もOK。野菜もきのこもOKとも言ってるのです。
そして、カロリー無制限ではないことも言っています。

くわえて、
糖質制限を批判する理由のひとつに、
続けられない、
リバウンドする、
お米を食べないなんて精神的に無理、
なんてものもありますが、
これは、
個々人の事情(情緒)であって、
糖質制限(科学)を否定するものではありません。


科学的な正当性をふまえ、
ビジネスとして成立することは、
わたくしの目標とするところでありますが、

医師という肩書きにこだわり、
センセーショナルな内容でないと売れないという判断をする
マスコミの実情があるうちは、
栄養学的にみた糖質制限食の怖くない実践方法
などという内容は、
まさに、地味で、売れないと判断されやすく、
今のところ、
このブログや講演会、セミナーなどを通じて、
地味に情報発信をしていきたいと思っております。

とりとめなくなってしまいましたが、
イギリスの栄養学の教科書
「ヒューマン・ニュートリション」にも、
進化に要する時代の尺度は長く、
人類は糖質を摂取して血糖値を毎食、上げるようには出来ていないし、
血糖値を毎食上げる食事は、
がん、アルツハイマー、糖尿病、肥満、老化など、
さまざまな問題が指摘されていると、
明記されています。

エネルギーの過不足をどう防ぐか、
肉や魚をどう組み合わせて、ビタミン、ミネラルを確保するか。
必須脂肪酸をどう確保していくか。
ω3系とω6系のバランスは、
種実と魚をどのくらい、どう組み合わせたらとれやすいか。
食物繊維の摂り方と腸内環境について。
そして、
糖質を摂るなら、
白米ではなく、かぼちゃや芋類からβカロテンやビタミンCなど摂って行った方が
よいメニューもあるのではないか。
玄米たふすま粉を食べるなら、無農薬の観点が必要でないか。
大豆を粉にして、主食で毎食とることは、アレルギーの心配はないか。
などなど、
さまざまな具体的な実践方法を、
わたくしは引き続き考えて参りたい所存です。
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コメントコメント


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アスリート

こんにちは。
本を読んでブログを拝見させていただきました!
わたしは、23歳で毎日運動をしているアスリートなのですが
今年に入って体重、体型ともに太ってしまい、有酸素を取り入れたり色々したのですが、元々あまり炭水化物は取らないものの、甘いものが好きなためか体重は減らず、、悩んでいたところに本に出会いました。
今は5日目で、幸い魚も肉も料理も好きだし、甘い物もなんとか取れるので楽しく続けられていて1キロ痩せました。
ですが、アスリートとして炭水化物を取らないことに少し不安があります。今のところ全く害はないのですが、注意する点や、練習前、試合前などに必要なことはありますか??
もう2.3キロ絞りたいのでまだ続けたいと思っているのですが、、悩んでいます。よろしくお願いします!!

あゆみ | URL | 2013/09/20 (Fri) 23:06 [編集]


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| | 2013/09/21 (Sat) 07:59 [編集]


Re: アスリート

あゆみさま
コメント、有り難うございます!
スポーツ栄養、奥深いです。
とくに、アスリートは栄養不足には要注意です。
スポーツの種類にもよりますが、
記事にしてみますね!

tamami oyanagi | URL | 2013/09/21 (Sat) 08:35 [編集]


Re: タイトルなし

ginsuisen さま
承知致しました!
こちらこそ、どうぞ宜しくお願い致します。

tamami oyanagi | URL | 2013/09/21 (Sat) 08:36 [編集]


こんにちは。
しばしご無沙汰しております。

私もこのような否定論を目にしたり、周りから否定的なことを言われて、不安になることもありましたが、
提唱者の先生方が何年も実践して健康体でおられるのだし、
理論は納得行くものでしたから、信じて続けています。
ときどきズルして米食べちゃったり、ケーキ食べちゃったりすることもありますし、やっぱり調理に片栗粉使ったり、みりん使っちゃったり、と、
厳しくないこともありますが、血糖値は正常値のあたりで安定していますし、ゆるやかですが、体重も減っています。

私もまったく違う分野ですが、本を2冊出しておりますので、先生のメディアに対するご意見はよくわかります。とにかく、面白おかしく作りたがる。編集者には著者の気持ちを踏みにじることも平気でする方が少なくない。私はもう日本では本を出したくないとすら思いました。

糖質制限についても、マスコミの取り上げ方に不満がいっぱいでした。これでは一過性の流行りのダイエットみたいで。

でも、そういうのにまどわされず、このブログで先生の心情やお考えを書いていただけるので、私もまた心強く続けていけそうです。とても参考になります。これからもよろしくお願いいたします。

blinchiki | URL | 2013/09/22 (Sun) 11:16 [編集]


大豆製品の取り方

今日の先生の記事、とても興味深く読ませていただきました。糖尿病ではありませんが、糖質制限食を始めてから体調が目に見えてよくなり、更年期なのだと諦めていた不調がかなり改善しました。
 ただ、主食代わりに豆腐を食べたり、大豆粉を頻繁にとったりすることで、大豆アレルギーにならないか、と素朴な疑問をずっと抱えておりました。なるべくいろいろな食材を食べようと心掛けてはいますが、食費のことを考えるとどうしても安く応用のきく大豆製品はかかせません。
今後、こういった観点からもぜひ情報提供をお願いしたいと思います。

minapon | URL | 2013/09/24 (Tue) 12:16 [編集]


Re: タイトルなし

blinchiki さま
コメント、有り難うございます!
糖質の過剰摂取は明らかに生理学的に良くないことは間違いないので、
緩やかでも、糖質の過剰摂取に意識するだけで、
まったく意識していないときとは、かなりの差がでると思います。
マスコミに限らず、余裕がないというか、無駄が許されない、
効率一辺倒の、そんな社会なのかもしれませんね。

tamami oyanagi | URL | 2013/09/25 (Wed) 09:46 [編集]


Re: 大豆製品の取り方

minapon さま
コメント、有り難うございます!
わたしも、糖質制限で肥満にならないよう体重コントロールができていますし、
指のアレルギー性湿疹が見事になくなりました。
長年の皮膚科通いから解放されて、これは驚きでした。
大豆を粉にして、
毎日、毎食、パンなどの形で摂取していくことに関しては、
1日空けるなど、
続けて摂取しないことは、
安心かと考えています。
どんな食品にも言えることですが、
同じ食品を食べ続けると、
アレルギーが出やすくなるからです。
たとえば、大豆製品であれば、
大豆粉も食べるけど、
納豆も、豆腐も、枝豆も、と、
いろんなものを回転しながら食べる方が安心です。

tamami oyanagi | URL | 2013/09/25 (Wed) 09:51 [編集]


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| | 2013/09/27 (Fri) 10:35 [編集]


Re: ありがとうございました

糖質制限理論を軸に、
あたらしい栄養のはなしを、
きちんと伝えていくために、
引き続き、尽力したいと思っております!
減量中の停滞期、わたくしも経験ありますが、
少なくとも、
太らない=維持できている、
のですから、
それだけでもすごいことです。
放っておいたら普通は年齢とともに
どんどん、増えていきやすいですものね。

tamami oyanagi | URL | 2013/09/27 (Fri) 10:58 [編集]


翻訳文 第一弾 完成(^-^)

先生 こんにちは(^-^)
翻訳文 第一弾が完成致しました!!
遅くなってしまって申し訳ありません。
昨日の夕方、上記の記事の翻訳文をブログに掲載させて頂きました。先生の記事に関しては、勝手にコピー出来ない様に 設定を変更致しました。ブログの先生のお写真も一緒に掲載させて頂きました。本当にありがとうございます!!

うらしま みわ | URL | 2013/10/14 (Mon) 09:26 [編集]


Re: 翻訳文 第一弾 完成(^-^)

うらしま みわさま

> 翻訳文 第一弾が完成致しました!!
良かったです〜〜!!
諸々、お心遣い、感謝。
皆様にも何卒よろしくお伝え下さい。

tamami oyanagi | URL | 2013/10/14 (Mon) 10:45 [編集]


 
 

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