管理栄養士のローカーボ・キッチン

狩猟採集時代にみる人間の本質

「長期的イビデンスと言われますが、狩猟採集時代の人間は健康で長寿とはとてもではないがいえません。むしろ農業革命によって、定期的に穀物を摂取できるようになったので、人口爆発が起き、平均寿命も増大したのです。糖質制限食の支持者は、奇妙な「狩猟採集時代」賛美がありますが、彼ら彼女らが生の木の実を主食にしているかというとそんなことは一切ないわけです。」


本日は、長くなりますが、
頂いたコメントに対して、わたくしの想いをまとめます。

糖質制限食はセンセーショナルなせいか、
頂いたコメントのようなご質問やご意見は、
他でも受ける事がございますので、
この場を借りて、一度、まとめておきたいと思います。

そして、このようなコメントを頂けるのは、
いろんな角度から物事を考えるうえで、
とても大切な意見だと思います。
そして、わたくしの想いは、
コメントを否定するものではありません。


まず、
平均寿命の話ですが、
狩猟採集時代の人間に比べて、
農業革命の結果の
糖質摂取が直接、平均寿命を延ばしたとは考えていません。

その時代食べていた糖質の質、
その時代の消費エネルギー、
その時代の生活環境など、
平均寿命には、
さまざまな要因がからむと考えています。
とくに狩猟採集時代から農耕が開始された時代においては、
生活環境の要因も、
寿命には大きく関与していると考えられます。

そして、わたくしは、
狩猟採集時代を賛美しているわけではありません。
農業革命の結果の必然性を否定しているわけでもありません。
そうある必然性はあったとも考えています。

いつまでも、生肉を食べて、生の木の実を食べるばかりでなく、
農業の発明によって、
安住、道具の発明など、
人類や文明によって得られた良い面もあるでしょう。
農耕にも、必然性があった、と考えています。
しかし、
だからといって、
穀物をたべることが結果的に幸せだったか、
というと、
そう手放しでは言えないとも思います。


糖質制限理論は、
現代人にとって、
とくに、
糖尿病の方や、肥満がある方にとって、
有効な、科学的根拠のあるひとつの食事療法です。
ただ、それだけです。

誤解を招いたのであれば、
糖質制限理論について、
その理論だけでなく、
意味、哲学的な意味までを伝えられない、
言ってる方(わたくしも)拙いとも言えますが、
真実は、シンプルなのです。

糖質を摂ったら、血糖値が上がる。
この事実は動かしがたい、単なる事実です。

糖質を摂ったら、血糖値が上がる。
そこからすべて考えるしかないと思っています。

狩猟採集時代を賛美するわけではないけれど、
現代人においても、
その原点からははずれていない、ということです。

その証拠として、
イギリスの、
オーソリティな学術書
『ヒューマン・ニュートリション』
炭水化物の頁には、
「農業の発明以来、ヒトは穀物をベースとして食物を摂取するようになったが、時代に対する進化の尺度は長く、ヒトの消化管機能は、まだ穀物ベースの食事には適応していない。ましてや、精製された糖質を摂取するようにはできていないのである」
とまとめられているのだと考えます。

人間の本質はどういうものか、
ということを、
狩猟採集時代の食事内容で、
例えて、言っているだけなのです。
本来は、こうであると。
少なくとも、わたくしは。


ヒトの消化管機能は穀物ベースに食物に適応していない。
血糖値を上げる栄養素を唯一、糖質だけ。
糖尿病の方、肥満をしている方にとって、
糖質摂取は体へのダメージが大きい。

こういう科学的な事実を知った上で、
糖質をどのくらい食べるのか、
食べるとしたら、どんな糖質を食べるのか、
あるいは、いっさい食べないのか、
を考えなくてはなりません。

そして、
たとえば50歳で糖尿病を発症し、
平均寿命まで生きるとして、
その間の余生20〜30年、
新米のたきたてごはんも、
お鍋の後の雑炊も、
パスタも、そばも、うどんも、ラーメンも、
カレーライスも、チャーハンも、
ケーキも、プリンも、チョコレートも和菓子も、
日本酒も、紹興酒も、
ポテトサラダも、コロッケも、
血糖値が上がるほど糖質たっぷり食だけど、
だからこそ、
いっさい、やめて、つづけて、何になるか、、。
と、
その辺りの、
哲学的な要素、兼ね合いも考えて、
個々人のいちばんいい生き方、食べ方をみすえながら
ベースは、糖質は少ない方がいいにきまっているという路線は
堅持しないといけないけど、
最終的には、
自分の理性でコントロールするしかないと考えています。
自分で考えて、その都度、
何を、どのくらい食べるか、食べないか、
自分で決めることが大事かと思います。

何事も、限界、
というか、
フレームがあります。

今、あるフレームの中で、
最大限、できる良い策を、
出来ればいいし、
出来ない日があっても、いい。
どんな食事療法であれ、生き方であれ、
その都度、コントロール、
ハンドリングしていくしかないと考えています。
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| | 2014/02/05 (Wed) 15:42 [編集]


最終的には、自分の理性でコントロールするしかないとのお考えに全面的に同意します。
さて、先日「ヒューマン ニュートリション 基礎 食事 臨床」を購入いたしました。非常にサイフに堪えましたが。疑問なのですが、他の管理栄養士の方々は皆さん読破されておられるのでしょうか。必読の書と思いますが。未だに炭水化物6割の指導とは、いやはや 何とも。

tama | URL | 2014/02/05 (Wed) 19:12 [編集]


Re: タイトルなし

kasuke さま
コメント有り難うございます。
こちらこそ今後とも宜しくお願い致します!

tamami oyanagi | URL | 2014/02/06 (Thu) 09:13 [編集]


Re: タイトルなし

tama さま
若い栄養士の方が、
科学的思考の訓練をしてきているというか、
科学的にものを考えられる傾向があるように感じます。

栄養士の教育、というか、
栄養士を教育する人の教育が必要でしょうかね。
女子栄養大学、副学長、香川靖雄先生が
『栄養と料理』2014年1月号 で、
脳はブドウ糖しかエネルギにできないと、
名言されておられるレベルです、、。

tamami oyanagi | URL | 2014/02/06 (Thu) 09:18 [編集]


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| | 2014/02/07 (Fri) 10:52 [編集]


同感です

糖質を我慢して死んでいく?タバコを止めたら何年生きる?酒を止めたら何年生きる?そうですよね。自分が決めて生きて行くしかないですよね。この世に生まれて来たからには、自分で決めて生きて行くしかないでしょう。ちなみに私は長生きをしたいと思っています。糖質制限をして12kg痩せました。この調子で頑張りますので、皆さんも自分なりに頑張りましょう!

masami0311@i.softbank.jp | URL | 2014/02/10 (Mon) 23:46 [編集]


Re: 同感です

masami0311@i.softbank.jpさま
コメント、有り難うございます!
12kg減ですか!!
美味しく楽しく糖質制限ですね。

tamami oyanagi | URL | 2014/02/14 (Fri) 06:53 [編集]


 
 

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