管理栄養士のローカーボ・キッチン

抑えきれない食欲に関しての生化学的考察

新宿溝口クリニックの、
セミナールームをお借りしての、
一般向けセミナーを、
毎月1回開催し、
昨日で6回目、
半年となりました。

この間、
いつも満員御礼で、
本当に有り難うございました。

いつも満席で参加できない、
という方もいらして、
また、
平日だけでなく休日の開催も、
とのお声も頂き、
4月以降は、
新しい体制を整え、
パワーアップして開催できるよう、
企画、準備を進めております。

改めまして、
なるべく早くご案内できるよう、
鋭意、尽力致しますので、
今しばらくお待ち下さい。

昨日のセミナーでは、
「糖質制限食と低血糖症」
についてお話ししました。

これまで、
消化吸収の栄養学
糖質制限食と糖尿病
糖質制限食と減量
糖質制限食とスポーツ栄養
など、お話してきましたが、
低血糖症は、
潜在的に多い疾患ではないかと考えています。

低血糖症についてのおはなしは、
別機会にご紹介しますが、
低血糖症の症状にも関係する、
食べ物のことばかり考えてしまう
炭水化物依存について、
コメントを頂きましたので、
今日はそれを
気合いが足りないから、
とか
意志が弱いから
とか
そういう観点ではなく、
生化学(栄養素の仕組み)の観点から、
どういう機序でそれが起こりうるかを
考えてみたいと思います。

食べ物のことばかり考えてしまう、
糖質のことが気になって仕方ない、
そういうときに、
体の中で起こっていることのひとつが、
エネルギー不足です。

エネルギー不足というと、
食る量が少ない
という行為の部分だけイメージしがちですが、
それだけではありません。

食べた栄養素を体内でエネルギーに利用できていない、
ということでも
細胞のエネルギー不足は起こります。


糖質を制限すれば、
本来、
脂肪酸をエネルギーとして使うため、
パワー不足にはなりません。
元気に活動できます。

糖質摂取による血糖の乱高下がない分、
ホルモンや自律神経のバランスが乱れることがないので、
むしろ、元気に活動できます。

しかし、ここで問題は、
脂肪酸をエネルギーとして利用しにくくなる栄養状況がある、
ということです。

それはビタミンB群不足です。

そして、
脂肪酸をエネルギーにかえる立役者
カルニチンの生合成能力の低下
および
カルニチンのはたらきに不可欠な
ビタミンCの不足も、
血中の遊離脂肪酸はたくさんあるのに(糖質制限はできているのに)
力がでない(だから栄養を欲して糖質を欲しがる)など、
パワー不足につながります。


とくに、お酒を呑まれる方!
ビタミンB 群はアルコールの代謝過程で消耗する栄養素です。
中でもビタミンB12、葉酸は、
アルコールの代謝で使われるビタミンですが、
ビタミンB12と葉酸は、
造血(血を造る)細胞をつくるときにも不可欠な栄養素です。
(ビタミンB12は動物性のたんぱく質系食品にしかふくまれないため、
厳格なベジタリアンは、悪性貧血という病にかかるため、
ビタミンB12をサプリメントで摂るケースが多いのです)

なので、
貧血がある方で、
鉄剤を飲んでいるのに数値も症状もなかなか、よくならない、
という方は、
この造血の部分での栄養素の不足があるのかもしれないと考察できます。

貧血がある方は、
アルコール摂取は控えても安心かもしれません。

カルニチンは、本来、体内でアミノ酸を材料に生合成できますが、
加齢とともに能力は低下します。
ラム肉、牛もも肉など、赤身のお肉に含まれます。

本来、
肉や魚介をしっかり食べる糖質制限食では、
ビタミンB群もカルニチンも摂取できますが、
お酒を呑む、
ハードなトレーニングを継続的にする、
外食続きで加工品や酸化油脂の摂取が継続的にある、
など、
ヒトの消化管機能に適した狩猟採集時代にはなかったであろう
生活スタイルによる影響が大きいと思われる方は、
ビタミンB群、つまり
肉や魚介を
よりしっかり食べるか、
よりしっかり食べることで、
カロリー過多になりやすい基礎代謝の少ない方(女性)は
ビタミンB群はサプリメントで補っていくかも手だと思います。

脂肪酸をどんどん、エネルギーにできるようになると、
食(糖質)に対する、
食べたいという欲求がかなり減ると、
自分自身、また、患者さんの声でも実感しています。

ただし、そうなるには、
徹底して糖質制限をして、
脂肪酸ケトン体システムをフル活動できるようになってからなので、
脂肪酸をエネルギーにできないうちは、
体がふらふら、立てない、歩けない、
という状況にもなりやすいので、
そのような方もマルチビタミンなどのサプリメントを、
上手に活用していくのも良いかと思います。

そして、
肥満や疾病がなければ、
現状維持を目的に、
1日のうち、
食べたい糖質があれば、
良いものを、1回、量を減らすなどしながら、
どこかで楽しむ、
などで、
ハンドリングしていくのもありかと思います。

糖質を食べてしまった、、、
神に背いてしまった、、
みたいな、
食べてしまったことが自己嫌悪につながるようなことは、
精神衛生上、
良くないかなとも個人的には考えています。

まあ、ただし、この話は、
生化学のメカニズムによるものより、
性格の影響もあるかと思いますので、
自身のキャラクターにあったやり方で、
まずは
現代人特有の栄養不足に注意し、
カロリー不足や過多にも注意し、
糖質は嗜好品として、適宜、必要であれば取り入れる、
というのが、
糖質制限食を続けやすいのかなと考えています。
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コメントコメント


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記事ありがとうございます!

大柳さん

記事にあげていただいてありがとうございます!
ビタミンB群不足、納得です。
昨日、偶然豚肉を150gほど食べたら、少し気持ちが治まりました。(フライドチキンでは、あまり納まらなかったかも)
今日はイライラせず、落ち着いて仕事してます。

昨日モリモリ食べたわりに、今朝体重を量ったら、100g痩せてました(笑)
昨日は、あーこんなに食べて、一週間の努力が水の泡だー。こんなことやっていて、ほんとにいいのかな?肉を食べたらやっぱり太るんじゃないかな。ご飯食べたほうがいいのかな。そもそも私は痩せるのかな?
って、どんどんどんどん不安になってしまって。
多分これが、炭水化物の禁断症状なのかなーと思いました。

これからは、「お肉を怖がらず」、サプリメントも取り入れ、たまには糖質を食べて休憩しながら、長ーく続けていきたいです。

これからも、ブログの更新楽しみにしていますね♪

ぴな | URL | 2014/03/14 (Fri) 14:42 [編集]


特に糖質制限を始めたばかりで、ストイックに頑張らなきゃ!と思っている人にはよい記事ですね
私も始めた時は、小さなウエファース一つでも罪悪感があったものですが、今は時節の行事食で糖質が多めになっても、文化を食していると割り切って(罹患していないから言えるのですが)食べています

ところで、話は変わりますが、貧血によい野菜多めの献立ってどのようなものがありますか?
ついついタンパク質は多めに、とはなるんですが野菜があまりにも不足してしまいがちなのが気がかりです
一昔前のように、貧血?ならレバニラ食べろ!ではないようなので、糖質押さえ目かつ貧血によいものを日常的に意識したいと思います

caorita@チョコレート依存症 | URL | 2014/03/14 (Fri) 17:18 [編集]


Re: 記事ありがとうございます!

ぴな さま
市販のお肉料理だと、
どうしても、
もれなく、
酸化した油脂かトランス脂肪酸などもとってしまうため、
お肉をただボイルして、
好きな味で和えたり、
などの食べ方が、
安心ですね。
カロリーが気になるときは、
液体の油脂(オリーブ油やマヨネーズ)や、
ナッツ、チーズは避けて、
鶏ささみやむね肉、
ゆで卵の白身、
魚は油は意識してとって、
大豆製品などに、
もやしやしらたき、きのこなど
低カロリーな食物繊維たっぷり食材を組み合わせて
満足感を出していくのもおすすめです。
このまま、おいしく続けられるといいですね!

tamami oyanagi | URL | 2014/03/15 (Sat) 10:14 [編集]


Re: タイトルなし

caorita@チョコレート依存症 さま

> ところで、話は変わりますが、貧血によい野菜多めの献立ってどのようなものがありますか?
そうですね。
貧血に関係する栄養素で、
野菜に含まれる栄養素としたら、
葉酸
そして
ビタミンC
になります。

葉酸は、ダントツ、菜の花です。
これからの季節にぴったりですね。
そして、
枝豆、モロヘイヤ、春菊、ほうれん草、アスパラガス、芽キャベツ、かぶの葉です。
アボカドにも葉酸は豊富。
いちごにも豊富です。

とはいっても、ダントツ、葉酸を豊富に含むのは、
レバーです。
そしてホタテ貝も比較的、葉酸を含みます。

春の食材が目立つような。

ビタミンCも、
菜の花、芽キャベツ、ブロッコリー、ピーマン、モロヘイヤ、ほうれん草など。
やはり、緑野菜が目立ちますね。

菜の花とレバーの組み合わせは、最高かもしれませんね。
さっと茹でて、マスタードで和えるとか。

ちなみに、
造血に必要なビタミンB12は動物性たんぱく質系食品にしか含まれませんので、
ビタミンB12の豊富なたんぱく質系食品と野菜を組み合わせると一石二鳥でしょうか。

ビタミンB12の豊富な食品は、
これが、
やっぱり
レバー!なんです。
レバー、すごいですね。

そして、
かき、さんま、あさり、しじみ、いわしの丸干し、さば、ホタテ貝、鮭、ほたるいか、
と魚介に軍配が上がります。

そして、
貝類は、春先からで始めるので、
旬の魚介+レバー+緑野菜
が常備でしょうかね。

それにしても、
春は、
造血にぴったりの食材が、
うまいこと、出てくるものですね。
春は、造血の季節か!?

tamami oyanagi | URL | 2014/03/15 (Sat) 10:23 [編集]


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| | 2014/04/28 (Mon) 16:52 [編集]


Re: 大変勉強になります

すなねず さま
MEC(肉卵チーズ)は魚の不足が心配です。
魚の栄養はとくに脳機能に重要なので記事にしてみました。
そして、ブログの紹介、有り難うございます!

tamami oyanagi | URL | 2014/04/29 (Tue) 10:21 [編集]


 
 

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