管理栄養士のローカーボ・キッチン

牛乳について


先日、テレビのニュースで、
新潟県三条市の学校給食がはじめた
給食に牛乳をつけない、
という試験的な取り組みが
波紋を呼んでいる、と言っていました。

テレビのインタビューでは、
業者さんは、
売り上げに直結するということで
困惑されておられました。

保護者は、
栄養バランスは、
家庭ではなく、
学校給食でやって欲しいので、
そこのところ、大丈夫かと懸念されておられました。

日本栄養士会は、
牛乳=カルシウムが大事、と、
耳にタコができるかのようなお題目を、
相変わらず、唱えていました。

三条市では、
食育の観点から学校給食に力を入れているそうで、
主食は毎日ごはん。
ごはんも、おかずの食材も、
安心・安全・新鮮な、
地産地消を基本にしているそうです。


成長期の子どもやアスリートなど、
糖質(エネルギー)が必要な方にとって、
「小麦は食べるな」
ウイリアム・デイビス(著)が指摘しているように、
アメリカ産輸入小麦の、
品種改良、遺伝子組み換え、
ポストハーベストなどの問題点をみても、
小麦以外での糖質摂取ができるなら、
安心かと、私も考えます。

三条市の学校給食の主食は、
毎日ごはんなので、
おかずも自然と、和食のメニューが多くなるようで、
そんな中、
「ごはんと牛乳の組み合わせは合わない」という声が、
関係者や保護者から上がっていった、
という経緯があるそうです。

たしかに、
ごはんと和食に、
もれなく、毎日、牛乳1本、
というのは、
味覚的に合わないなというのも同感です。

そこで、
牛乳を出したい派の意見は、
成長期の子どものカルシウムが不足しますよ〜という文言です。


牛乳などの乳製品は、
カルシウムやエネルギーは豊富です。
しかし、
三条市では、
エネルギーは、ごはんの量を増やすことで、
たんぱく質は、おかずの量を増やすことで、
カルシウムは、やはり、おかずの魚や、
小魚やごまをたっぷりみそ汁に入れたり、
ごはんにふりかけたりすることで対応できるとしています。

栄養的にも、
理にかなっていると思います。


そして何より、わたくしが考える牛乳の問題点は、
牛の育てられ方と、
その牛のお乳の質です。

「モンサント社の不自然な食べもの」という
フランス人女性ジャーナリストが制作した
ドキュメント映画があります。
公式サイトはこちらです。
http://www.uplink.co.jp/monsanto/about.php

この中で、
牛乳の作られ方
が取材されていました。

牛の餌も、
もちろん人間の食品もそうですが、
自然のものではない、
人工的に作られた遺伝子組み換えの作物を食べていくと
どうなるのか、
健康被害の問題だけではなく、
そのような種を一度でも購入して土地に使ってしまうと、
その種でしかその植物が育たない土壌になってしまい、
その高価な種を購入し続けられない
インドの貧しい農家が、
次々と自殺に追い込まれるという
ショッキングな現実も取材されていました。

牛乳に話を戻しますと、
大量生産され、
安く流通する牛乳の問題点として、
遺伝子組み換え牛成長ホルモンの投与が挙げられます。
この牛成長ホルモンをなぜ注射するかというと、
搾乳量が増えるため、だそうです。
しかし、このホルモン剤を注射された牛は、
乳腺炎にかかりやすく、
牛には抗生物質が投与されることに、、。
そして、乳腺が張ったまま、無理矢理、搾乳されるため、
牛乳の中には膿みが混入することに、、、。
このような、
効率、経済優先の人間のエゴが作り出した結果の
不自然な牛乳は、
もはや食品ではないと思います。
ちなみに、
このような牛乳を飲んだ人に、
乳ガンや大腸ガンが発生しやすくなる
とも指摘されていました。

日本の学校給食に出される牛乳が
このようなものでなくても、
そもそも、
牛乳を毎日飲み続ける弊害として、
アレルギーのリスクが高くなります。

また、食事の際に、
牛乳を1本(200cc)飲む事ことで、
低学年の子どもや小食の子どもは、
それでお腹いっぱいになってしまって
おかずを残す=栄養不足にもつながります。

カルシウムは、魚介から摂取できます。
魚介に豊富なω3系の油脂は、
日本人に不足が心配な栄養素とも言われています。
そして魚介には、
骨の成長に必要なビタミンDも豊富です。
魚介からのカルシウム摂取は、
その他の栄養もくまなくとれておすすめです。

そして、
骨は、カルシウムだけがつくるのはありません。
カルシウムは骨の柱。
しかし、カルシウムは、
マグネシウムという兄弟イオンがいないと、
はたらけません。
つまり、骨をイメージするならば、
カルシウムという柱があり、
マグネシウムがその柱を支えますが、
そこに流れこむコンクリートの役割は、
たんぱく質です。


カルシウムさえ飲んでいれば、
骨の栄養は安心ではないのです。

学校給食には、
パンと牛乳。
という、
慣習になっていることであっても、
常識になっていることであっても、
あるとき、ふと気がついて、
もっと、よりよいやり方があるなら、
みんなで、
よりよい給食のあり方を考えていけたらいいですね。

学校給食の主役は、
面倒を避けたい大人たちではなく、
子どもたち(健康や美味しさ)であるという、
当たり前の事実を受け入れずして、
食育なんてあるのかと、
誰のための食育なのかと、
勘ぐられかねません。

それにしても、
長い間続いた慣習や常識を変えるということは、
どの世界も、
孤独で、大変な作業です。

個人的には、
三条市の栄養士さんには、
高く、厚い常識の壁の前で、
辛い事も多々あると思いますが、
どうか頑張って欲しいと、心から思いますし、
陰ながら応援したいと思います。
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コメントコメント


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新年おめでとうございます

今回の記事で一番引っかかったのは
>保護者は、
>栄養バランスは、
>家庭ではなく、
>学校給食でやって欲しいので、
>そこのところ、大丈夫かと懸念されておられました。
の部分です
学校給食が杜撰でいいとは思いませんが、これは成長期の子を持つ者として、あまりに無責任だと思います
昨今のご時世ですから、保護者にゆとりがないのは百も承知ですが、モンペってこういう人のことをいうのでしょうねえ

牛乳業界との戦い以前に、こういう不見識で無責任な保護者との戦いがあるかと思うと、お気の毒でなりません

caorita@引きこもり | URL | 2015/01/04 (Sun) 19:56 [編集]


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| | 2015/01/05 (Mon) 15:31 [編集]


あけましておめでとうございます。
今年も先生のブログ楽しみにしております。

本題は、牛乳の問題を発端に、現在の学校給食の問題に思えます。

もとはといえば、敗戦後の子供たちの低栄養を補うためという名のもとに、政治的な合意から始められた給食です。
栄養過多にまで及んでいる現代の家庭での食生活には、栄養不足を懸念する必要こそなく、逆に育ち盛りの子供たちにこそ不自然な食品は排除して然るべきと思うのですが、
改革、革命と、誰もやらないことを始めることにとても臆病な日本の国民性と、酪農業者とのかねあいも難しいところですが、
三条市の皆様の動きにまず拍手です!
そして、人に良い事と書いて食事という本当の意味を生きていくうえでの食育として子供たちに伝えていけたらいいですね。

まねりこ | URL | 2015/01/05 (Mon) 18:30 [編集]


Re: タイトルなし

caorita@引きこもり さま

新年おめでとうございます。
今年も宜しくお願い致します!

学校給食廃止の議論の度に、
反対するのは、
パンや牛乳など
学校給食を相手にビジネスをされている方と、
お弁当を毎日作らないといけなくなる保護者だそうですね。
「家族の勝手でしょ!―写真274枚で見る食卓の喜劇 」(新潮文庫)
などみていると、
給食が必要かもとも思えてきます、、。

tamami oyanagi | URL | 2015/01/08 (Thu) 16:56 [編集]


Re: ヨーグルトについて

四方直子さま
腸内環境のためには、
納豆やみそなどの発酵食品に、
海藻やきのこ、豆類などから食物繊維をたっぷり摂って、
ラフィノースオリゴ糖などを使う手も。
面倒でなければ、
自家製ぬか漬けなども良いかもしれませんね。
乳製品は、わたくしもチーズやヨーグルトは、
たまに利用しますが、
チーズは、海外の輸入もの頂く事が多いです。
ヨーグルトはめったに食べないので、
たまに食べたくなるときは、
小分け4パックになっているものが便利なので、
ダノンBIOの無糖プレーンを利用していますよ。

tamami oyanagi | URL | 2015/01/08 (Thu) 17:01 [編集]


Re: タイトルなし

まねりこさま

明けましておめでとうございます!
今年も宜しくお願い致します!

学校給食は敗戦後、
アメリカの余剰小麦対策で始まったような経緯もありますしね、、。

> 三条市の皆様の動きにまず拍手です!
> そして、人に良い事と書いて食事という本当の意味を生きていくうえでの食育として子供たちに伝えていけたらいいですね。
私もほんとうにそう思います。

tamami oyanagi | URL | 2015/01/08 (Thu) 17:05 [編集]


 
 

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