管理栄養士のローカーボ・キッチン

腎臓とたんぱく質:膵臓と糖質

今日は、
腎臓病と糖尿病の、
それぞれの病態と食事療法について、
基本的な話をまとめてみます。

まず、
腎臓病は、
腎臓からしか排泄できない、
たんぱく質の代謝産物(尿素、窒素、クレアチンなど)の
排泄機能が低下している状態です。

そのため、
排泄という腎臓のお仕事を休ませることと、
排泄がうまくいかない結果起こる
尿毒症を防ぐために、
たんぱく質の摂取を制限します。

腎機能が低下すると、
ナトリウムの排泄機能も弱まるため、
塩分の摂取も制限します。

つまり、
たんぱく質とナトリウムの処理ができないのだから、
食事で何を制限するかというと、
たんぱく質とナトリウムです。

非常に分かりやすいです。

そして、
体たんぱくの異化亢進を防ぐために、
エネルギーの不足にも注意します。

たんぱくの制限量は、
どれほどが良いか、
さまざまな議論もされています。


一方、糖尿病はどうでしょう。

糖尿病は、
膵臓のβ細胞からしか分泌できない、
インスリンというホルモンの
分泌機能が低下している状態です。

インスリンというホルモンは、
常に一定量、分泌される基礎分泌と、
血糖値を上げる唯一の栄養素、
糖質を摂取して血糖値が上がったときに分泌される
追加分泌があります。

基礎分泌もできない糖尿病が、1型糖尿病です。
追加分泌ができない糖尿病が、2型糖尿病です。

インスリンは分泌しているものの、
それが機能しない=インスリン抵抗性が起こっている状態も、
2型糖尿病にみられます。

そのため、
1型糖尿病では、基礎分泌分のインスリンは、
注射などで外から入れてあげることが必要です。

一方、
血糖値が上がったら、
膵臓のβ細胞の疲弊によって、
もうインスリンを追加分泌ができない
あるいは、
分泌はできても効かない=血糖値が下がらない
という現象に対しては、

インスリンの追加分という膵臓のお仕事を休ませることと、
インスリンの追加分泌はされても効かない結果起こる
食後高血糖を防ぐために、
糖質の摂取を制限します。

非常に分かりやすいです。

そして、
体たんぱくの異化亢進を防ぐために、
エネルギーの不足にも注意が必要です。
この目的は、
腎臓病とは違って、
腎臓に負担がかかるから、
ではなく、
そもそも
エネルギー不足や、体たんぱくの異化亢進は、
体力、免疫、骨量、筋肉量、ホルモンなど
生体を形づくることができなくなるため、
良くありません。

糖質の制限量は、
どれほどが良いか、
さまざまな議論もされています。

しかし、これは、
一部の医療機関や医師が採用している
糖尿病を解決するための栄養の考え方です。

日本糖尿病学会、
つまり、
多くの医療機関や医師が採用しているのは、
エネルギー制限食という栄養の考え方です。

しかし、
腎臓病が、腎臓の負担を軽減するために、
たんぱく質を制限するのに、
糖尿病は、膵臓の負担を軽減するために、
糖質を制限しないのか。

医学や生化学の難しい勉強ができなくても、
中学生も?と思うシンプルな話だと思うのですが、
おそらく、
腎臓病は、
減らしたたんぱく質の分を、
糖質で補える、
つまり
脂質を増やさなくても良い、
という安心感があるのかもしれませんね。

糖質を制限した結果、
たんぱく質や脂質が増えるのは良くない、
という栄養学の常識が、
やはり、根底に大きく根付いているものと考えられます。

たんぱく質は、
1g4kcalとしてのエネルギーの役割の前に、
生体のすべてを形づくる栄養素であり、
分子レベルでは、
常に分解合成を繰り返し、
食べだめができない栄養素であることを認識する必要もあります。

なので、
エネルギー制限食でも、
糖質制限食でも、
結果、減った体重のグラムに大差はなかった
という発表もあるようですが、
何が減ったのが肝心です。
減らすべきは、余分な体脂肪であって、
体重=筋肉量、骨量、脱水であってはいけません。

また、
油脂には、
ω3系のように、
現代人に不足している栄養素もあること、
トランス脂肪酸のような化学油脂、
手軽な加工品の多用による酸化油脂、
リノール酸のように、摂り過ぎやすい油脂など、
さまざまな種類があって、
油脂=悪と一括りにできないことも認識する必要もあります。

そして、そもそも、
人類は、400万年の歴史の中で、
米や麦や穀物をメインに摂取していないこと、
肉や魚介や、草葉や海藻など食物繊維をメインに摂取して
今の消化管機能があるという、
生物学的事実を認識する必要があります。

腎臓とたんぱく制限、
膵臓と糖質制限、
いずれも、
科学的機序は単純でも、
その結果、増える栄養素の量や質について、
社会科学をふまえた上での実践方法は複雑なので、
今後は、そちらにも、
叡智が集約されると良いなと、
個人的には考えます。
スポンサーサイト

PageTop
 

コメントコメント


管理者にだけ表示を許可する
 

蜈育函縲∵?縺代∪縺励※縺翫a縺ァ縺ィ縺?#縺悶>縺セ縺呻シ

縺頑ュ」譛医?譌・譛ャ縺ァ縺励◆縲よサ?、壹↓縺ェ縺?ゥ滉シ壹□縺ィ諤昴>縲∝?逕溘?縺翫○縺。譁咏炊縺ョ險倅コ九b隱ュ縺ソ縺、縺、縲∬ェ俶ヱ縺ォ雋?縺代※縺企、?d繧峨″繧薙→繧薙↑縺ゥ縲√>縺溘□縺?※縺励∪縺?∪縺励◆縲ゅ〒繧ゅ←縺矩」溘>縺ァ縺ッ縺ゅj縺セ縺帙s縺ァ縺励◆縲
縺薙%縺ョ縺ィ縺薙m陦?邉門?、繧ょョ牙ョ壹@縺ヲ縺?※縲√h縺励h縺励→諤昴▲縺ヲ縺?◆縺ョ縺ァ縺吶′縲∵律譛ャ縺ォ縺?k髢薙↓蜿励¢縺溯。?豸イ讀懈渊縺ョ邨先棡縺碁?√i繧後※縺阪※繝サ繝サ繝サ繝サ繧医¥縺ェ縺?s繧薙〒縺吶?∬。?邉門?、縲
縺薙%2??繝カ譛医?蟷ウ蝮??、繧貞叙繧九→縺?≧蜊倡エ斐↑讀懈渊縺ァ縺励◆縺ョ縺ァ縲√◎縺ョ2,3繝カ譛医〒縲∽ス輔°繧?i縺九@縺溘□繧阪≧縺九→閠?∴縺溘→縺薙m縲∵悃縺秘」ッ縺ィ荳?邱偵↓縲∽ココ蜿ゅΜ繝ウ繧エ繧ク繝・繝シ繧ケ繧帝」イ縺ソ蟋九a縺溘?縺ァ縺励◆縲ゆス輔°縺ョ險倅コ九〒隱ュ繧薙〒縺ィ縺ヲ繧ゆス薙↓縺?>縺ィ縺?≧縺薙→縺ァ縲∝ョカ譌?莠コ縺ョ縺溘a縺ォ縺?>縺ィ蟋九a縺ヲ縺ソ縺セ縺励◆縲ゆココ蜿ゅb繝ェ繝ウ繧エ繧ゅ?∫ウ冶ウェ縺碁ォ倥>縺ィ縺?≧縺薙→縺ッ豌励↓縺励※縺?◆縺ョ縺ァ縺吶′縲√#鬟ッ縺ョ蠕後□縺励?√→諤昴>縺セ縺励※縲
縺薙l縺悟次蝗?縺?縺ィ閠?∴繧峨l縺セ縺吶°?
縺雁ソ吶@縺??縺ォ縺吶∩縺セ縺帙s?
縺昴l縺ィ縲√o縺溘@縺ッ逞ゥ縺帙☆縺弱□縺九i縲√◎繧後b邉門ーソ逞?↓縺ェ繧翫°縺代※縺?k蜴溷屏縺?縲√→繝峨け繧ソ繝シ縲
譁ー蟷エ譌ゥ縲???」滉コ九?∫函豢サ蠖「諷九r隕狗峩縺吶メ繝」繝ウ繧ケ縺御ク弱∴繧峨l縺溘→諤昴≧縺薙→縺ォ縺励∪縺呻シ
莉雁ケエ繧ゅ◆縺上&繧薙?√>繧阪>繧阪↑縺願ゥア縺励r讌ス縺励∩縺ォ縺励※縺?∪縺吶?b

Kay | URL | 2015/01/15 (Thu) 02:18 [編集]


管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

| | 2015/01/15 (Thu) 02:25 [編集]


管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

| | 2015/01/15 (Thu) 02:35 [編集]


Re: タイトルなし

Kay さま
大丈夫ですよ!

tamami oyanagi | URL | 2015/01/17 (Sat) 13:04 [編集]


Re: タイトルなし

Kay さま
食後血糖と体脂肪は、
食べた糖質を正直に反映しますよね、、。
こちらこそ本年もどうぞ宜しくお願い致します!

tamami oyanagi | URL | 2015/01/17 (Sat) 13:05 [編集]


 
 

トラックバックトラックバック

トラックバック URL
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)