管理栄養士のローカーボ・キッチン

妊娠中と糖質の付き合い方

昨夜、
神宮球場でのビールがけ、
ついに実現しましたね。
ヤクルトファンというわけではないのですが、
大学野球を観戦するようになって、
神宮球場に通う機会が増え、
なんだか嬉しいです。

さて、
妊娠中の糖質制限食の実践について、
ご質問をいただきましたので、
わたくしなりの考えをまとめてみたいと思います。

結論から言うと、
妊娠中も
子どもも大人も、
性別も国籍を超えて、
糖質制限食の実践は
血糖値をあげる糖質に偏った食事ではなく、
前農耕時代(狩猟採集時代)の
「ヒトの消化管機能に適した」※
栄養摂取であるという事実をふまえると、
ヒトの栄養摂取としては
理にかなったものであると考えます。

むしろ妊娠中は、
餅や米などの主食や
食べやすい果物など、
血糖値をあげる糖質に偏った食事では、
エネルギーは得られるかもしれませんが、
エネルギーしか得られないことにもなりかねません。

糖質に偏る食事ではなく、
肉や魚介、卵や大豆製品などのたんぱく質系の食材を組み合わせ、
野菜、海藻、きのこ、こんにゃくなど食物繊維をたっぷり添える
おかずでお腹いっぱいになる食事は、
結果的に、
妊娠、出産、授乳にも備えた、
たんぱく質をはじめ、
ビタミンB群も、A、E、Dも、
鉄や亜鉛、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルも、
そして
腸内環境を整える食物繊維も、
と、
栄養素をしっかり確保できます。

その上で、
糖質の考え方としては、
糖尿病がなく、
肥満もなく、
痩せがあるならなおさら、
狩猟採集時代とは違って、
糖質もあるのですから、
血糖値を急激にあげるような、
あるいは、
食品添加物や酸化油脂がたっぷりの糖質ではなく、
良い糖質を
エネルギーとして、
おかずをしっかり確保した食事の最後に、
確保していくのも手だと考えます。

アレルギーのリスクが懸念されている
小麦製品(小麦グルテン)は避け、
ごはんを中心に、
芋を蒸すだけ、
かぼちゃを蒸すだけ、
季節の(防かび剤などのついていない)くだもの、
などで適宜、
エネルギーを確保すると、
とくに小食な方で、
エネルギー不足を感じやすい方は心強いかと思われます。

糖質の摂り方としては、
レジスタントスターチの記事も参考にしてみてください。

さらに、
良質な油脂でもエネルギー確保を心がけるのも
心強いかと思います。

オメガ3の豊富な、
あまに油、えごま油などの生食を優先し、
すぐにエネルギーになりやすい
中鎖脂肪酸の豊富なココナッツ油も、
暖かい飲み物などに入れて、
加熱料理には
酸化しにくい
オメガ9の豊富なオリーブ油を使用します。

たんぱく質と脂質は、
細胞、血液、骨、ホルモン、粘膜、臓器などなど、
カラダのすべての材料として必要不可欠です。

ただし、
糖尿病の妊婦さんの場合、
糖質の摂取に関しては、
主治医や管理栄養士と相談していく必要があります。

400万年の人類の進化の過程で、
前農耕時代の方が圧倒的に長く、
農耕をはじめて1万年とはいえ、
そこから、さらに、
穀物は品種改良、精製がすすみ、
穀物だけでなく、
菓子やくだもの、飲み物、調味料など
あらゆる食品から糖質摂取が容易になった現代社会、
糖質を摂りすぎないことは、
食後高血糖を防ぐ上で、
「ヒトの消化管機能に適した」事実です。

しかし、
正しい事実と
ベストな選択は
別であるとも考えます。

まずは正しい事実を知ること。
その上で、
いまさら狩猟採集時代には戻れませんし、
エネルギーとしては使える栄養素、
あるいは嗜好的においしく馴染みのある食品、
糖質を多く含む食品を、
ライフステージや
ライフスタイルに応じて、
適宜、選択していくことも考えていかないといけない
つまり、
糖質制限も、
広がりに加え、
厚みを考える時がきているようにも感じています。

※「ヒューマンニュートリション第10版」(医歯薬出版株式会社)
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コメントコメント


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お礼

妊娠中の糖質制限に関して早速ご回答どころか、一つの記事を設けていただき感謝しております。ありがとうございました。

先生の記事を読み、糖質制限食=甘いものを食べないとか主食を抜くとか、そんな単純なものではなく、糖質制限食は、ひとつひとつの栄養素がどんな場面でどのように人間の生命活動に寄与しているかを見つめなおし、本当に必要な栄養素は何なのかを見直す機会を与えてくれる一つの手段なのかな思いました。だから、単純に糖を避けるだけでなく、アレルギーをもたらすもの添加物、人工的に作られた脂質なども避けるべきことにも今更ながら気づかされました。妊娠中こそ、糖質制限食の本質をもっと学び実践していくべきだと気づかされます。本当に勉強になりました。

日々の生活の中で先生のおっしゃる意味をかみしめながら食材を選んでいこうと思います。もちろんガチガチになりすぎずに・・・。本当にありがとうございました。

いのうえ | URL | 2015/10/06 (Tue) 09:54 [編集]


Re: お礼

いのうえさま
ハンドリングしながら、
糖質制限食を、
これからも、
おいしく、安心、安全に、続けていけたらと、わたくしも思っております。

tamami oyanagi | URL | 2015/10/09 (Fri) 07:06 [編集]


 
 

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