管理栄養士のローカーボ・キッチン

「日本食品標準成分表」改訂とひじきと鉄

食品の栄養成分の基になっている、
「日本食品標準成分表」が、
先日、大幅に改訂されました。

糖質関連ではうれしい改訂が。
なんと、
「糖尿病対策のため炭水化物の記載を充実」だそうです。

従来は、
食品全体から水分や他の成分を差し引いた
炭水化物の量を掲載していました。
しかし、
これでは正確性に劣るとして、
今回は、
実際の食品分析に基づく炭水化物量を追加記載とのこと。
さらに、
でんぷん、ブドウ糖、果糖などの
組成別の別冊も作成されました。

食品に含まれる糖質の部分が、
より正確に把握できることになります。

糖尿病対策のための食品成分表改訂で、
カロリーではなく
炭水化物に重点がおかれたことは、
血糖コントロールを食事(栄養)で行うためには、
カロリーではできなくて、
糖質コントロールが不可欠なことが
認識されたとも考えられます。

続けて驚いたのは、
ひじきの鉄分が、
実際には、
9分の1程度しかなかった!
というもの。

これまで、
ひじきの鉄分は、
乾燥した状態で
100gあたり58.2mgでした。
しかし今回、発表された値は、
100gあたり6.2mgと、
9分の1程度に減っています。

そのわけは、
ひじきを乾燥させる前に加熱する段階で、
以前は
鉄の釜や鍋を使っていたそうで、
ひじきの鉄分に、
鉄の釜や鍋の鉄分がプラスされていたようです。
しかし、
今は、
ひじきを加熱する釜や鍋は、
鉄製ではなくステンレスが主流となっているため、
ステンレスの釜や鍋で加熱したひじきの鉄分を計測したところ、
成分に大きな違いが出たようです。

乾燥ひじきを100gも一度に食べることは、
よほどの大食漢でもないと思われますが、
いずれにしても、
鉄は、
ひじきやプルーンやほうれん草など
植物性の食品に含まれる非ヘム鉄ではなく、
肉や魚介など
動物性食品に含まれるヘム鉄でないと、
吸収されにくいのが特徴です。

前回の、
抗酸化作用の記事にも書きましたが、
βカロテンやリコピンなど、
動植物がもつ天然の色素成分、
カロテノイドの中で、
もっとも強い抗酸化作用をもつのは、
植物性食品ではなく、
鮭やイクラ、えびなど
動物性食品がもつアスタキサンチンであることを考えても、
やはり、
人類400万年の歴史の進化の過程で、
肉や魚介など狩猟採集時代に得た栄養は、
ヒトの栄養の吸収、代謝にとって
効率的であると考えられます。

そうはいっても、
効率的だからと、
毎日レバーや魚の血合いを食べられる人は少ないと思われます。

レバーや赤身肉、魚(血合い)やあさりなど、
動物性食品は、
ここ一番の手っ取り早い鉄の補給として、
そこに、
ひじきやほうれん草など、
植物性食品は、
日常に取り入れやすい鉄の補給として、
動物性食品と植物性食品を
組み合わせながら摂取するほうが、
鉄のことだけをみるのではなく、
栄養全体を俯瞰した際にも、
バランスがとりやすいと考えます。

ひじきは、鉄のためにだけあるのではありません。
ひじきは、
現代人が不足しがちな
食物繊維をはじめ、
カリウム、カルシウム、マグネシウムなど
ミネラルも豊富に含みます。

植物性食品に含まれる
非ヘム鉄の吸収率を高めるものに、
ビタミンCがあります。

逆に、
吸収を阻害するものとして、
食物繊維、
お茶のタンニンや
玄米や豆の外皮に含まれるフィチン酸があります。

しかし、
食物繊維と鉄の吸収を調べた研究によると、
1日20〜30gの食物繊維をとると、
鉄の吸収率は下がるものの、
1週間もすると、
鉄は吸収されるようになるというものです。
おそらく、腸が、
必要なものを取り入れる
判断をしている結果と考えられています。


どんな食品にどのくらい栄養が含まれているか
わかっても、
それを消化吸収できるかどうか、です。

健康な消化管をつくることは、
あらゆる栄養の消化吸収のために、
まず取り掛からなければならないことであるとも言えます。
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