管理栄養士のローカーボ・キッチン

糖質制限食の実践

明けましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

2016年。
糖質制限食を知り、学び、
糖質制限食の実践について、
勤務するクリニックで本格的に食事指導をはじめて、
10年になりました。

自身で実践している中でも、
10年前と今では、
違うものもあります。

野菜と食物繊維の考え方。
糖質もどき食品の依存度。
油脂のとり方。
甘味料の選び方。
そして、
肝臓と筋肉の重要性。
つまり、
糖質オフとはいえアルコールの飲み過ぎはよくなく、
糖質オフ=食事だけでも痩せられるけれど、
運動=筋力アップは、
とくに加齢とともに大切なこと。
など。

この10年、
自身で実践し、
患者さんに学び、
糖質のことだけを考えるのではなく、
糖質制限食をどう実践すると、
安心、安全に続けられるのか、
現在、クリニックで食事指導している内容をまとめておきたいと思います。

今回は、まず、糖質の考え方について。

人類400万年の進化の過程で、
人類が農耕は始めたのは1万年前。
「ヒトの消化管機能はまだ穀物ベースの食事には適応していない」
ことは、
イギリスの栄養学の大著
「ヒューマンニュートリション」にも明記されている
単なる事実です。

ましてや現代社会のように、
この100年足らずに登場したような
精製、品種改良、加工された穀物を主食として常食し、
さらに、
自販機の清涼飲料水、
街中にあふれるカフェの甘い飲み物、
発汗の度の甘いスポーツ飲料、
菓子類などの常食にも、
適応できないことは明確です。

1食何gの糖質摂取なら安全なのか、
という議論もされているようですが、
食後高血糖が、
糖尿病だけでなく、
肥満や冠動脈疾患、がんアルツハイマーなど
多くの点で健康に有害であることが
世界的に指摘されている中、
血糖を上げない量、
がベストであると考えると、
すでに膵臓の機能が破綻している糖尿病の方、
育ち盛りの痩せのある子ども、
アスリート、
筋肉量も運動量も少ない中高年、など、
病態、
肥満の有無に加え、
ライフステージやライフスタイルによって、
1食あたり、
血糖値を上げない量の糖質量は、
個体差が大きいかもしれません。

自身で、
血糖自己測定器で、
食後血糖値を測定して様子をみるのがもっとも
信頼できる値になるかと思われます。

例えば、
1食あたり糖質40gを摂れば、
我が家の糖尿病人の血糖値は、
200mg/dlをゆうに超えます。

食後血糖値の測定を続けていますが、
1gの糖質が約3mg、血糖に変わります。

1食40gの糖質摂取が、
仮に、今後、学会などで、
安心、安全な糖質摂取量と決められたとしても、
我が家の糖尿病の家族は、
合併症予防の食後血糖値180mg/dl未満は、
食事では保てません。
つまり、やはり、現在の糖尿病の治療食と同じ、
食事療法では対応不可能で、
投薬が必要、
ということになります。

投薬の量はできるだけ抑えておきたいと考える結果、
現在の、
糖尿病の食事療法=カロリー制限ではなく、
糖質制限食を自ら選び、実践し、
血糖コントロールを投薬ではなく
食事で行っている我が家の糖尿病人にとっては、
1食40gの糖質量は、
糖質制限食とは言えない、
ということになります。

糖質は、
食後高血糖を起こさない量がベストであるとしたら、
糖尿病の方は、
1gの糖質が約3mg血糖値を上げる値を目安に、
やはり、
ゆうに糖質40gを摂取しやすい主食は、
抜いておく方が無難かと考えます。
お茶碗ふんわり1膳、
150gのごはんに含まれる糖質は約55gです。

いったん、
空腹時血糖値を下げて、
膵臓や血管を休ませ、
その上で、
主食を食べたい時だけ投薬に頼るなど、
糖尿病の方の糖質制限食の実践は、
主治医と相談する必要があります。
投薬をしながらの糖質制限は、低血糖になり、危険です。
カロリー制限の癖のまま、主食を抜くのも、
低エネルギー、低栄養になり、よくありません。


食後の血糖を、
急激に高く上げることは、
糖尿病の方に限らず、
ヒトの代謝には不自然な現象であることを考えると、
減量目的であっても、
糖質の摂取量を控えることは大切です。

どんなにカロリーが低くても、
糖質が高い食品
(そうめん、や、お茶漬け、や、そばなど)
を食べて、
血糖値を上げてしまえば、
その血糖をエネルギーとして、
体脂肪より優先的に使うため、
余分な体脂肪を燃焼したい期間中は、
やはり、
3食主食を抜くなど、
血糖値を上げない食事が有効です。

減量に成功したあとは、
好きな糖質を楽しむこともできます。
急激に血糖値が上がりにくい食べ方、
たとえば、
米であれば、
アミロースの多い米、
ササニシキを、
おにぎりなどにして冷まして食べるなど。
その後に、
ウォーキングや買い物、
ジムなど体を動かすのも、
糖質をエネルギーとして消費しやすく、
体脂肪として溜めにくくなるためおすすめです。

育ち盛りで痩せのある子ども、
エネルギーを多く必要とするアスリートにも、
穀物は、
ごはんがおすすめです。

「ジョコビッチの生まれ変わる食事」にもありますが、
小麦(グルテン)を毎食、主食とする食べ方は、
腸内環境のためにも、避けた方が無難です。

消化管栄養は重要です。
栄養は食べても、
消化吸収できなければ意味がありません。
丈夫な消化管は、
健康の基本となります。

糖質を、適宜、エネルギーとして活用するなら、
ごはんのほか、
十割そば、
全粒パスタ、
じゃがいもやサツマイモをふかしただけ、
かぼちゃをふかしただけ、
季節の果物なども
とりいれていけます。
糖質だけでなく、
食物繊維やビタミンC、βカロテンも確保できます。

小麦(グルテン)の弊害を考えると、
糖質オフのパンも常食は気をつけた方がよいかもしれません。
糖質オフにする分、
もし、
小麦グルテンを多く使うとしたら、
腸内環境にはよくありません。
マーガリンやショートニングなど
欧米ではすでに使用を禁止しているトランス脂肪酸が使われやすいのも、
パンの特徴です。
気をつけましょう。

糖質はオフすることで対応できます。
大切なのは、何をオンするか。です。
ヒトに必要な栄養は、
脂質とタンパク質など3大栄養素だけではありません。
ビタミン、ミネラル、食物繊維の確保も欠かせません。

次回、
主食ではなくおかずでおなかを満たすときの、
気をつけておきたい、
おかずについてのはなしをまとめます。
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