管理栄養士のローカーボ・キッチン

糖質制限食の実践の科学を

週刊誌やネットに、
糖質制限食はやはり危険では、
というような記事が掲載されているようです。

脳を動かすエネルギーは100%、糖だ、、、
糖質制限食では筋肉量がどんどん落ちるなど、、、

こちらに関しては、
誤解に対する反論として、
生理学、生化学の事実が、
江部康二先生のブログに述べられています。

糖質制限食の実践を危惧する発言の中で、
糖質以外ならなんでも好きなだけ食べていい
という言葉も多く出てきます。

しかし、わたくしは、
クリニックでの栄養指導や実践の著書では、
そのような糖質制限食の実践は、
おすすめしていません。

カロリー制限食でも、
カロリーさえ控えればなんでも食べていい
というわけではないように、
糖質やカロリー以外に
ヒトの生命維持(量)と、
平均寿命まで健康で
できれば若々しく生きるため(質)には、
さまざまな栄養素が必要です。

肉、魚介、卵、大豆製品を1食で組み合わせ、
そこに、
海藻や緑黄色野菜などの食物繊維を
たっぷり組み合わせることによって、
肉からは摂れにくいビタミンDや
オメガ3の必須脂肪酸を魚から摂れます。

カルシウムとマグネシウムをバランス良く
大豆製品から摂れます。

酸化を防ぐカロテノイドを緑黄色野菜から、
血糖が高い状態でとくに不足しがちな大切なミネラル
カリウムやマグネシウムを
やはり、
大豆製品やそして海藻から、
あわせて、
腸内環境を健康に保つための食物繊維も摂取できます。

とくに、
腸内環境は大事です。

いくら糖質オフでも、
毎日飲む缶ビールや清涼飲料水などに入っているとしたら、
人工甘味料の常食は避けたいと考えます。

人工甘味料は、
腸内細菌のバランスを崩し肥満や糖尿病の発症に
影響を与えるという研究結果も発表されています。

腸は、体内のデトックスにも関与します。
腸は脳から独立して自ら判断し、
必要なものは取り込み、
不要なものは排泄する機能を持つほか、
毒物を無毒化する酵素も持っています。

腸の粘膜を弱くする食物として知られているのが
小麦グルテン。
そして
乳カゼインです。

糖質をオフできたとしても、
小麦グルテンたっぷりの低糖質パンを、
乳製品を、
毎日、毎食、食べ続ける弊害も、
考えておかなくてはなりません。

血糖値を上げる栄養素は糖質です。
であれば、
糖尿病の方の血糖コントロールは、
カロリーではなく、
糖質によってしかできないことは、
小学生にもわかる理屈だと思います。

事実、
米国糖尿病学会は
2008年から
低炭水化物、いわゆる糖質制限食を肯定しています。
2008年は、
スウェーデンでも、
糖尿病や肥満の治療に関して、
糖質制限食を社会保険庁が公式に認めています。

1998年に発表されたUKPDS
(United Kingdom Prospedtive Study)で、
2型糖尿病の空腹時血糖の厳格なコントロールが、
1)細小血管疾患のリスクを減少させること
2)大血管合併症と死亡率については有意差が認められなかったこと
そして
3)どのような治療をしても10年間で
HbA1cは徐々に悪化していったこと
が発表されました。

どのような薬物治療をしても、
食事で糖質を摂取する限り、
血糖コントロールは悪化していくと言えます。

実際、
日本の糖尿病の治療食は、
カロリー制限食が主流ですが、
その結果、
失明、腎透析、足の切断などの
細小血管の合併症になる患者数は減ることなく、
日本人の心筋梗塞の死亡者の約1/3が
糖尿病由来であることもわかっています。

糖尿病にならないように、
糖質の過剰摂取は、
予防医学の観点からも重要です。


イギリスの栄養学の大著
『ヒューマン・ニュートリション』(医歯薬出版株式会社)
栄養の科学
炭水化物
のページに
「ヒトのもつ消化機能は、およそ1万年前にはじまった
農業の発明以前の摂取食物に適応している」
と記載されています。
そして、そのような食事は、
「糖尿病、冠状動脈疾患、がん、老化など、
多くの点で健康に有害であることが強く指摘されている」
と記載されています。

ガリレオ・ガリレイの言葉
「それでも地球が動く」
になぞらえれば、
「それでも糖質は良くない」
と認識さぜるを得ない科学的な事実です。

だからこそ、
糖質制限の是非を問う時に、
糖質制限食とは、
何を、どう食べることを言うのかを、
あわせて考えていかなくてはならないと強く思います。

糖質さえ控えれば、
毎日、毎食、
例えば、
グルテンたっぷりのパンや、
食品添加物や
酸化油脂、
トランス脂肪酸たっぷりの肉の加工品を
食べ続けることは、
それこそ、
「ヒトのもつ消化機能は、およそ1万年前にはじまった
農業の発明以前の摂取食物に適応している」
ことをかんがみると不自然です。

予防医学の観点から
糖尿病ではなく、
肥満もなく、
エネルギーが必要な方が、
糖質をエネルギーとして有効活用していくなら、
精白、品種改良され、
トランス脂肪酸や
オメガ6(リノール酸)、
酸化油脂の入った輸入小麦製品に代表される
食パン、菓子パン、ドーナッツ、焼き菓子などの
加工品ではなく、
雑穀、
かぼちゃ、
いも類、
季節の果物、
天然の甘味料など、
できるだけ自然な糖質を、
上手に使っていくという手も考えなくてはなりません。

今こそ、
糖質制限食の
実践の科学を構築していくときであると考えます。
そして、その実現に向け、
引き続き、
鋭意、尽力していきたいと考えます。
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