管理栄養士のローカーボ・キッチン

塩について

塩分を摂りすぎる血圧が高くなる。
このことは、
栄養学では常識となっています。
糖尿病になったらカロリー制限、と同じように。

卵などコレステロールの多い食品を食べると
血清コレステロールが高くなるとして、
卵を控えることも、
かつては栄養学の常識でしたが、

しかし、コレステロールに関しては、
厚生労働省は2015年日本人の食事摂取基準」において、
「目標量を算定するのに十分な科学的根拠が得られなかったため」として上限量をなくし、
日本動脈硬化学会も2015年、
「食事で体内のコレステロール値は変わらない」と
声明を発表しました。
(家族性高コレステロール血症の方は、
食事のコレステロールも主治医や管理栄養士と相談して、
経過をみていく必要があります)

最近では、
コレステロールが高いこと自体が問題の本質ではなく、
コレステロールが酸化し=悪玉コレステロールが増えることで、
血管壁にプラークをつくり、
動脈硬化や心筋梗塞、
脳梗塞の原因となることが問題であるとして指摘されています。

コレステロールに関しては、
量を減らすより、
その質を保つ、つまり、
酸化=悪玉化を防ぐことが重要です。

酸化を促進するものは?
まず、加齢=老化です。
生きている年月が長い分、
呼吸の回数に比例し、
加齢とともに酸化=錆びていくことは避けられません。

そこで話題になるのがアンチエイジングです。
ビタミンACE、つまり抗酸化栄養に期待が集まっています。
ビタミンACEは、主食からの摂取は期待できません。
これらの抗酸化栄養は、
色の濃い野菜、海藻、魚、種実類などに多く含まれますが、
これらの自然な動植物には、
色素成分や苦味成分、辛味成分など、
抗酸化物質も多く含まれます。

酸化を促進する
その他の要因としては、
たばこ、肥満、高血糖などが挙げられます。

たばこは百害あって一利なしかも、ですね、、。

肥満と高血糖は糖質制限食で解決できます。

そして、
どんなピュアな油でも、
そこに酸化した油をたらせば、
たちまち酸化してしまうように、
また、
どんぐりを食べるイベリコ豚が、
どんぐりの油(オレイン酸)リッチになるように、
コレステロールを酸化させないためには、
自分の油を酸化させてしまう
酸化油脂を控えることも重要な戦略のひとつです。

食パン、菓子パン、焼き菓子、スナック菓子、
ドーナッツ、カップ麺、カレールー、
市販の植物油で揚げられた揚げ物惣菜などなど、
酸化油を摂取する食品をみてみると、
糖質と植物油が一緒になって時間がたったもの、が目立ちます。

安価で、手軽な加工品です。

そして、おそらく、そのような、
安価で、手軽な加工品に使用される油は、
自然に、時間をかけて抽出する比較的高級な植物油ではなく、
ヘキサンという薬品で抽出する、
安価な植物油の可能性も否めません。


塩についても、
同じことが言えると感じています。

ヒトにとって、
コレステロールと同じくらい、
それはなくては生命維持できないほど大切な栄養素が
ナトリウムです。

そして、
ナトリウムはカリウムとセットで
血圧をはじめ、筋肉の動きなど、
からだのはたらきに関与することも
知っておかないといけません。

そのうえで、
人類はナトリウムをどのような形態で摂取してきたのかを
考察してみると、
魚介や海草に自然に含まれる塩味のほか、
岩塩をはじめ、
日本では、藻や海水から自然につくられる
自然塩を摂取していたことが想像できますが、
日本では、
「農耕的製塩から工業的生産に移せば塩の値段が安くできる」
という理由から、
昭和46年、
「塩業近代化臨時措置法」という法律が国会で通過。
これによって
塩田での塩づくりができなくなり、
その代り、
工業用の塩を作るための技術だった
「イオン交換膜透析法」により、
カリウムやマグネシウムなどミネラルがほとんど排除された、
純度99%を超える「塩化ナトリウム」=「食塩」が生まれました。
(『塩屋さんが書いた塩の本』松本永光 著 より)

植物油同様、
このように、
生産性やコストを優先した結果生まれた食品(商品?)を、
栄養学的に解釈できるのか、
と考えさせられますね、、。

その後、
塩化ナトリウム=不自然な塩がもたらす人体への弊害と、
ミネラルバランスの整った自然塩の重要性を訴え、
「自然塩運動」として
全国で署名活動が起こり、
全国から多くの署名が集まり、
昭和48年、当時の専売公社が
特殊用塩という名前で、
自然塩の製造販売を許可するという経緯があり、
現在にいたっているそうです。

そういえば、わたしが子どもの頃、
食卓にあった塩は「食卓塩」でした。

厚生労働省は、ナトリウムの1日の標摂取量を
10g以下と定めていますが、
純度99%を超える不自然な食塩、
塩化ナトリウムの上限量と考えると、妥当かもしれません。

自宅で料理などの味付けの使う塩は、
ナトリウムの排泄を促進するカリウムも同じように含まれている
自然塩がおすすめです。

我が家では、味付けには、藻塩を使っています。
下ゆでなど、下味に使うのは、
生協で買える比較的、安価な自然塩にしています。

その他、
納豆を食べるときは、
付属のたれは使わず、
乾燥わかめをすり鉢で粉状にしておいたものや、
ちりめんじゃこを入れて、
塩気の代わりにさらにすると、
じゃこやわかめから、
カルシウムやマグネシウムやカリウムなど
ミネラルをさらにおいしくプラスできます。

工業的に安価に作り出された
「食塩」=「塩化ナトリウム」を控えるためには、
中華総菜の素や味付けたれ、ドレッシングなど
市販の加工調味料のほか、
カップスープやカップ麺、
ハム、ソーセージ、ベーコンなど肉の加工品や、
ちくわ、はんぺん、かまぼこなどの常食に、
さらに醤油やソースで味付けなど。
また、発酵ではなく調味漬けの漬物、
うどん、そうめん、パン類など塩を使う主食、
市販の惣菜の常食、
だしの素など、
まずは、加工品の過食を見直すことが
大切ではないかと考えます。

そして、
海藻や野菜、大豆製品など、
ナトリウムの排泄を促すカリウムを含む食品も
毎食、そろえ、
味付けには、
わさび、しょうが、唐辛子などの香辛料、
酢、ゆず、レモンなど酸味のあるもの、
大葉、にんにく、ねぎ、ハーブなどの香味野菜なども活用すると、
やみくもな減塩ではなく、
かしこく、おいしく適塩を目指すのに役立つと考えます。
スポンサーサイト

PageTop
 

コメントコメント


管理者にだけ表示を許可する
 

塩についての大変詳しい記事をありがとうございます。私は、妊娠時、高血圧を指摘され、出産後も比較的高いままだったので、闇雲に塩分を控えておりました。すると、不思議なことに、血圧は上がる一方。ある医師の指摘で、塩分の適量摂取を促されてから、またまた不思議なことに、今度は血圧が下がり、今では全く問題ない数値で落ち着いております。しかし、やはり、その適量やらが難しいなあと感じていた矢先、大柳先生の当記事を読み、塩味を摂るという概念から、自然の産物から塩味を味わうという考えにシフトしていけばいいのかなと、今後の塩分との付き合い方のヒントを得ることができました。先生が常日頃おっしゃる、工業的に加工された安易な加工食品をなるべく避け、できる範囲で、自然の恵みの塩味、旨味、甘味を楽しむようにしたいです。糖質制限の概念は、走り過ぎた加工食品と、極端な栄養神話(高血圧=減塩など)に警鐘を鳴らすにいたる奥深いものだなと改めて思います。

いのうえまきこ | URL | 2016/12/22 (Thu) 20:46 [編集]


Re: タイトルなし

いのうえまきこ さま
> 糖質制限の概念は、走り過ぎた加工食品と、極端な栄養神話(高血圧=減塩など)に警鐘を鳴らすにいたる奥深いものだなと改めて思います。
まさに同感です。ヒトの栄養(量と質)の本質を考えざるをえなくなるのが、糖質制限食だと感じています。

tamami oyanagi | URL | 2016/12/25 (Sun) 06:41 [編集]


 
 

トラックバックトラックバック

トラックバック URL
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)