管理栄養士のローカーボ・キッチン

行事食にみるグレーの発想


先日は、七草粥、みなさん、召し上がられましたか。
わたしは、すっかり忘れていました。

年明けから、また断酒をはじめ、
空き時間は極力、ヨガに通い
加えて、
今、糖質制限に関して調べごとをしているのですが、
すると、
あっという間に1日が終わってしまい、
年末にクリニックで購入した、
「クラッシュビスタ」という、
まつげのボリュームを出すという
外用液剤を就寝前に塗るのも忘れ、
今年もやはり、女子力微量な1年になることは確定です。

忘れるといえば、
昨年末、
地元、吉祥寺の映画館で
「君の名は」を上映しているよと、
JK2年の娘が、
いいよ〜、観なよ〜、とすすめるので、
大掃除の合間、
我が家の糖尿病人と2人で観に行ったのですが、、、、
、、、、泣いた〜、、、。
で、
お正月、その映画の話をしていると、
我が家の糖尿病人が
「俺の名は」というので、
自分の名前もついに忘れたか!!
すわ、今年は痴呆介護元年か!?と思いきや、
言い間違いですが〜(笑)
それにしても、
「俺の名は」(大笑)

とプライベートなはなしはともかく
七草粥で思ったこと。

おかゆは消化の良い糖質ですので、
糖質=エネルギーが必要な方、
アスリート、
生活活動強度の高い方や運動をする方でかつ肥満のない方、
肥満のない成長期の方などには、
文化的かつ効率的なエネルギー源です。

糖尿病の方で
投薬やインスリン注射に頼るのではなく、
自力で血糖を上げないという治療食=糖質制限食の実践によって、
膵臓への負担を減らし、
合併症を根本的に予防したい方や、
肥満があって糖質制限ダイエットをはじめ、
導入期の方にとっては、
文化的なイベントでも、
七草粥が控えておいた方が良さそうですね。

ごはん100gを水でのばしておかゆにしたとしても、
糖質量は35g前後。
2型糖尿病の方だと、約100mg/dlの血糖上昇です。
空腹時血糖値100mg/dlに保てたとして、
食後血糖値200mg/dlにもなります、、。

七草粥は、
お正月に疲れた胃腸を休ませるはたらきもある、
とのことですが、
おかゆの栄養素が
消化の良い糖質に偏っていることを考えると、
糖質制限をしたい方は、
七草を、みそ汁やスープの具にしたり、
七草を、くずした豆腐と一緒に
だしで煮込んでおかゆ風にするなどしながら、
栄養を確保しつつ、
文化的な行事も楽しむことができます。

糖質(や脂質)は、
お正月太りという言葉にあるように、
摂取量と消費エネルギーによっては
体脂肪に変えて蓄えられるのに対し、
タンパク質は、
私たちの生命をかたちづくる栄養素として、
日々、分解と合成を繰り返しています。
脳も、皮膚も、臓器も、血管も、すべて、
タンパク質(アミノ酸)を材料につくられます。
そしてこのタンパク質は、
糖質や脂質と違って、基本的に、食べだめができません。

日本には四季があり、
四季にあわせて行事があり、
そこには行事食がつきものです。

春は、ひなあられ、ちらし寿司、お寿司や桜餅、ちまきや柏餅。
夏は、七夕そうめん、土用の丑の日の「うなぎなど。
秋は、月見団子やお芋、新米。
その間にも、
誕生日やお祝い事、旅行、
仕事上での接待など
お付き合いでの糖質摂取もあるかもしれません。

糖質制限は、栄養の科学として、
血糖を上げないという点では唯一無二の食事療法です。
主食(糖質)でおなかを満たすのではなく、
タンパク質や脂質(必須栄養素)を摂取し、
主食の代わりに、
野菜、海藻、きのこ、こんにゃく、おからなど
たっぷり組み合わせることで、
食物繊維やビタミン、ミネラルも自然と摂取できます。

しかし、
狩猟採集時代ではなく
現代社会に実際に生きながら、
糖質制限(科学)を実践する上では、
行事(文化)か糖質制限(科学)か、
黒か白か、
ではなく、
必要に応じて、
スマートに、
自分の判断でハンドリングしながら、
中庸(グレー)を目指したいと、改めて思います。

生命は、誰しも平等に、1度きり。
そして不可逆的です。
生命誕生の瞬間から、死に向かいます。
(再生医療がはじまると、
 このあたりは変わるのかもしれませんが、、)
だからこそ、
まずは、糖質制限という
栄養科学の正しい広い普及に尽力したいと考えます。
行事食(ハレ)を楽しめるくらいに、
日常(ケ)で糖質制限と必須栄養素を確保しておくことです。

しかし、糖質制限であっても、
それは、生きている間、
より良く健康長寿を目指すための食事療法のひとつであって、
糖質制限をしても、
生命は、1度きりで不可逆的であることはかわりません。

糖質制限がすべてを解決できるというような錯覚、
つまり、
糖質制限に依存しすぎないことも重要かと思います。

糖質制限した結果、
何をどう食べるかによっては、
本末転倒な結果になりかねません。

主食を抜く制限より、
食べるバランスを日々、保つことのほうが、
難しいのかもしれませんね。
そのためには、
知識だけでなく、
知性が必要になってくるのかもしれません。
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糖新生について

こんにちは!
今日、気になる記事を見つけました。
http://healthcare.itmedia.co.jp/hc/spv/1701/09/news004.html

こちらの記事によるとタンパク質量が多いと糖新生を起こして結果太るとありました。

タンパク質量は制限がないものと思っていましたがこれから気を付けた方が良いのでしょうか?

良かったら質問に答えて頂けると有難いです。
よろしくお願い致します。

ユウ | URL | 2017/01/10 (Tue) 01:42 [編集]


Re: 糖新生について

ユウ さま
「糖質ゼロに近い食事でも、タンパク質が多ければ「糖質ゼロに近い食事でも、タンパク質が多ければ『糖新生』が起こり、肝臓などで糖質に変わります。結果、太ることもあるでしょう。タンパク質の総量には注意が必要です」こともあるでしょう。タンパク質の総量には注意が必要です」
こちらの記事でしょうか。

1型の糖尿病の方や
2型の糖尿病の方でも
内因性のインスリン分泌がゼロに近い方は、
グルカゴンというホルモンによる糖新生の結果、
血糖値が上がる場合があります。

タンパク質を構成するアミノ酸のうち
ロイシン、アルギニン、リジンは、
やはり、糖尿病の方によっては、
血糖を上昇させるようです。

しかし、このような
糖尿病の方であっても、
あるいは
糖尿病の前段階のように、
血糖調整機能がうまくいかない方であっても、
糖新生が起こる結果の高血糖で太るところまでいくのかはわかりません。

糖新生で血糖が上がるほどの糖尿病の方で
糖質制限をされている方は、
どちらかというと、
痩せがある方が多いように臨床の現場では感じています。

糖尿病ではなく、
肥満があって、ダイエットを目的に
糖新生が起こるほど、厳格に糖質制限をされている方が、
タンパク質無制限の食事で痩せにくい、
あるいは太る、
としたら、
タンパク質系食品からの単純な摂取カロリーの過多か、
あるいは
タンパク質系食品の質(食品添加物、酸化油など)による
腸内環境の悪化の結果、
痩せにくいのかなども原因としては考えられるかと思います。

tamami oyanagi | URL | 2017/01/11 (Wed) 07:19 [編集]


 
 

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