管理栄養士のローカーボ・キッチン

1型糖尿病と糖質制限

なくてもなんとかできるような対策をとる、
ギリギリの栄養摂取ではなく、
より効率的な栄養摂取として、
糖質からのエネルギー摂取は、
肥満のない成長期の子どもや
アスリートなど、
エネルギーを必要とする方にとっては
もはや狩猟採集時代ではない、
糖質の恩恵をいくらでもうけられる現代社会にとっては、
ひとつのスマートな選択ではないかと
前回のブログで考察しました。

しかし、
糖尿病の方にとっては、
とくに1型糖尿病においては、
投薬やインスリンに頼りすぎず、
低血糖症や、合併症のリスクを
極力、減らせる血糖コントロール対策として、
糖質制限は欠かせないと考えます。

糖尿病の方で、
糖質制限を用いて、
血糖コントロールを行いたい方には、
その実践方法を、
医療機関や医療関係者が提案できるよう、
対策が急務であると感じています。

2017年7月の糖尿病学会誌に、
「厳密な糖質制限と時効型溶解インスリン1回法を
約15年継続している罹病歴33年の1型糖尿病の1例」
が報告されました。


カロリーに対してインスリンの単位をきめる食事療法では、
食後は高血糖、運動後は低血糖など、
私生活に支障をきたすほど
血糖コントロールが不安定であった。


そのため、自らの意思で、
糖質制限を実践し、約15年、
血糖コントロールと適正体重を保ち、
低栄養を示す所見もなく、経過。
ある日、はじめて低血糖昏睡となり、
大学病院を受診し、入院。


大学病院では、
糖質制限の危険性をその患者さんに説明。
しかし患者さんの強い意向に沿った糖質制限食と
インスリン1回法を容認さざるを得ない状況で、入院治療を開始。


しかし、
大学病院では、糖質制限食の提供はできず、
入院中は2000kcalのカロリー制限食を提供。
患者自ら、ごはん、パン、イモ類など
糖質が多い食品はほぼ摂取せず、
食前の血糖が高いときには自ら
運動や入浴で血糖コントロールを行い、
入院中は摂取した糖質量が少なく、
食事摂取による血糖上昇をほぼ認めなかった。


しかし、病院側の結論は、
速攻型のインスリンを注射して、
糖質を摂取するという成功体験をさせられなかったこと、
また、
糖質に対する適切なインスリン量の指導ができれば、
行動容認につながった可能性があるというものです。

あまりに高く、厚い
医学の常識の壁を前に、
立ちすくむ想いになりました。


糖尿病の方や、
とくに1型糖尿病の方で、
糖質制限を希望される方であれば、
せめてカーボカウントを取り入れ、
安心、安全な糖質制限食の実践についての
食事指導が行える体制が広く整えられないものかと、
改めて強く感じます。
スポンサーサイト

PageTop
 

コメントコメント


管理者にだけ表示を許可する
 

 
 

トラックバックトラックバック

トラックバック URL
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)